Miles Davis, Robert Glasper "Everything's Beautiful"
Robert GlasperがMiles Davisの音源をどう料理しているかが興味の対象ではありますが、最近のリミックスアルバムの傾向からすると個人的嗜好とは合わない可能性は高いかな?とも思ったのですが、それでも興味津々であることは間違いありません。
メンツですが、featuringとして各曲にいろんな人の名前が並んでいます。
さらりと書き写してみますと以下のような感じ。
Bilal、Illa J、Erykah Badu、Phonte、Hiatus Kaiyote、Laura Mvula、KING、Georgia Ann Muldrow、John Scofield、Ledisi、Stevie Wonder
演奏曲は以下の通り。Miles Davisの音源を使っているが、曲としては半分くらいは新たに構成されているもののよう。
既成曲もいくつかあり、Maiyshaは"Get Up with It"、Violetsは"Aura"、Little Churchが"Live Evil"とか...。
01. Talking Shit
02. Ghetto Walkin
03. They Can't Hold Me Down
04. Maiysha (So Long)
05. Violets
06. Little Church
07. Silence Is The Way
08. Song For Selim
09. Milestones
10. I'm Leaving You
11. Right On Brotha
いわゆる今っぽい音作りのリズムに、miles Davis のしゃがれ声を乗せることで過去と現代の繋がりを表現しているのかな?
個人的経験からは、古くはHerbie hancock、Quincy jones、最近ではJason Moranの企画作と同類の音作りという位置づけでしか聴けず、特に目新しさを見いだせられないんですよね。
古いボーカルの入らない音源を、ダンサブルなビートとボーカルを前面に出して、現代ブラックミュージックに仕立て直す。
悪くはないんだけど、こう言う作法で似たコンセプトの作品が多数出てきても・・・のような気がしているのは、どうやら私だけではないような...。
これだけいろんなところからいろいろと似たコンセプトのアルバムが出てくると、そろそろ聴く側が慣れてきて市民権を得るようになるんじゃないかとも思ったりもするんですが、自分が歳とって寛容性がなくなったか、感性が衰えているか、ただただ頑固なだけなのか、相変わらず慣れることなくまた世間一般でもジャズの一形態としては(まだ過渡期かもしれないが)認知されてる感じでも無い。
Jason Moranもそうだが、もしかして本来のジャズの真骨頂に価値を置いて聴かない聴衆に向けた作品で、すでに古来からのジャズ者は置き去りにされてるのかもしれないです。
そうだとしたら、それはそれでなんか納得してしまうのではありますが。
ベストは、Stevie Wonderのハーモニカが格好良い最後の曲にしましょう。
Miles Davis, Robert Glasper "Everything's Beautiful"(https://www.amazon.co.jp/dp/B01CSMDI0G/)
この記事へのコメント