"Of Monsters & Birds" Monika Roscher
自blogでも紹介している
挾間美帆 "Time River"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63486002.html)
Darcy James Argue "Brooklyn Babylon"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63556337.html)
や、この直前に紹介の
Christopher Zuar "Musings"(https://www.amazon.co.jp/dp/B01AOHX7IA/)
等々百花繚乱とは言わないが、若い世代で大所帯での音表現に可能性を感じ、それぞれの手法と表現力で、様々なスタイルのビッグバンド(ラージアンサンブル)サウンドを聴かせてくれ、そこにしっかりと脚光があたっていることをうれしく感じている次第であります。
本作は前口上に非して、単にジャケ買いしただけと言っても過言ではないもので(笑)、大所帯バンドであることは認識していたのでラージアンサンブルサウンドを期待はしていましたが..。
店頭でボーカルのところに置いてあったりして、ちょっと購入を躊躇しそうになったのも事実でした。
演奏者は、ビッグバンドでもできるだけ書き出すようにしてます。クレジットは下記であってると思います。
Julian Schnter(As)、Jan Kjesewetter(As)、Mochael Schreiber(Ts)、Jasmin Gundermann(Ts)、Jacob Lanker(Bs)、Florian Leuschner(Bs)、Heiko Giering(Bs)
Flex Jechlinger(Tp)、Johannes Schneider(Tp)、Matthias Lindermayr(Tp)、Andres Schnell(Tp)、Sebastian Stanko(Tb)、Ralf Bauer(Tb)、Christine Harris(Tb)、Jakob Grimm(Tb)
Josef Reble(P)、Ferdinand Roscher(B)、Leonhard Kuhn(Electronics)、Silvan Straus(Ds)、Philipp Scholz(Ds)、Gerd Baumann(Vo)、Monika Roscher(G,Vo)
演奏曲は以下の通り、全部オリジナルでアレンジもプロデュースもMonika Roscherです(凄)
1 Wanderer
2 A Walk in the Park by Night
3 Entering Birds
4 Full Moon Theatre
5 Interlude
6 Illusion
7 Terror Tango
8 Carribean Delirium
9 New Ghosts of the Century
10 Timewarp
11 The End
Monika Roscherのボーカルとギターが全編でフィーチャーされ、曲調も、明るめだったり、ファンタジーな感じだったりと、重さを感じさせるものではない。
全体の雰囲気としてはプログレッシブロックっぽさを感じる作風と言えるか？
が、さすが生のビッグバンドを従えるだけに、そのアレンジも秀逸でハーモニーの美しさと絶妙な音色の重なり、そしてドラマチックな展開といずれも見事で完成度もしっかり高く、こちらの満足度も十分に高い。
さらに、管楽器、ピアノ等ソロもしっかりと用意され、ジャズなテイストも色濃く感じさせる。
それでいて全体の雰囲気は、てんこ盛り感なく、全然濃くも重くもならず、いわゆるラージアンサンブルらしい良い意味であっさりとした雰囲気は維持しているという内容は、お見事と言って良いでしょう。
Monika Roscherのギターが、前面に出過ぎずそれでいて全編で要所にしっかりと存在感を示す。
ボーカルは、綺麗に聴かせるタイプではなく、zaz(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63607920.html)に通じるぶっきらぼうな雰囲気すら感じさせるもの。
Monika Roscherが、曲書いてアレンジしてバンドの指揮もして、ギター弾いて、歌も歌ってるわけだがMonika Roscher個人の作品という感じは希薄で、緻密に作り上げたビッグバンドサウンドを最大限に生かしつつ自身の個性を乗せてきているイメージで、実に面白い作品に仕上がってると思います。
ベストは、６曲めでしょう。
"Of Monsters & Birds" Monika Roscher(https://www.amazon.co.jp/dp/B01DB1DXWQ/)
