"Tea Times" 大西順子
復活劇は、昨年(2015年)の東京JAZZ(日野さんが引っ張り出したとか..。)での演奏に出たところからで、その後ライブハウスでの演奏がいくつか続いていたと思います。
本年1月にあった、井上陽介、石若駿とのライブは行くべきだったかと、ちと後悔してます。たしか、本作はこのライブの直後に録音されていたと思います。
前回の復活でリリースされた2作品。
"Baroque" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59770572.html)
"楽興の時" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58339374.html)
メンツは、ピアノトリオをベースに、以下の通り。
たくさんいますが、5曲め6曲めでオーケストラが入り、8曲め9曲めでラップが入るという構成のため。
オーケストラは、ほぼエリックミヤシロさんのオーケストラの管セクションで良いと思います。
Terreon Gully(Ds)、Yunior Terry(B)
Tokuhiro Doi(As, Cl)、 Kazuhiko Kondo(As)、Ryoji Ihara(Ts, Fl)、Masakuni Takeno(Ts)、
Kei Suzuki(Bs)、Eijiro Nakagawa(Tb)、Nobuhide Handa(Tb)、Ryta Sasaguri(Tb)、Koichi Nonoshita(Btb)
、Eric Miyashiro(Tp)、Koji Nishijima(Tp)、Masahiko Sugasaka(Tp)、Atsushi Ozawa(Tp)、
Yosuke Miyajima(G)
Naruyoshi Kikuchi(Rap:8)、OMSB(Rap:8,9)、JUMA(Rap:9)、Sara Yoshida(Cho:9)、Ayumu Yahaba(Cho:9)
Ryoji Ihara(Arr:4)、Miho Hazama(Arr:5)
演奏曲は下記10曲。菊地さんのオリジナル9曲に、挾間さんの曲が1曲(6)という構成。
01. Tea Time 2
02. Blackberry
03. Tea Time 1
04. Chromatic Universe
05. GL/JM
06. The Intersection
07. Callorine Champtier
08. Malcolm Vibraphone X
09. U Know
10. Fetish
無機的なリズムで現代的アプローチによるジャズを想起させたかと思うと、そこから一気呵成に強打鍵での
早いフレーズのソロへとなだれ込む。
古くからの彼女のファンは狂喜し、初めて聴く人は圧倒されるこの冒頭のソロこそ大西さんの真骨頂と言いたいもの。
ベースとドラムのコンビネーションも秀逸で、この三者の微妙なバランスで成り立つインタープレイがなんとも心地良い。
この、がっつりとした演奏が冒頭から3曲続き、中盤は、ホーンが入ったビッグバンドサウンドな作風へ。
4曲めは、単調なフレーズで音の厚みを出した起用。同時進行のピアノトリオの挑戦的な演奏が格好良い。
5,6曲めでは、よりビッグバンド(というか、昨今のラージアンサンブル系)サウンドらしい演奏が重合的なホーンアンサンブルと、ピアノソロの対比が格好良く、また気持ち良い。
特に6曲めの早いビートとの掛け合いは格好良い。
7曲めのスローな曲でちょっと南博ぽいピアノと、最後のブルージーで気だるい雰囲気を孕んだ曲に挟まれた、8曲め、9曲めの2曲が異色のラップ曲で、巷での評判は、おおかた否かw。
個人的にもいただけないので、この2曲は飛ばして良いかなw
後半のラップは以外は菊地の周到なプロデュース力が発揮された、面白い曲と演奏が目白押しだと思います。
派手なだけとも言えますが…。
ベストは、展開が面白い挾間さん作曲の6曲めでしょう。
"Tea Times" 大西順子 (https://www.amazon.co.jp/dp/B01EM3V3WO/)
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