"Wood" Francesco Ciniglio

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これもリーダーは知らない人で、Aaron Parks買いしてます。
Francesco Ciniglioは1989年イタリア生まれで、これが初リーダー作のようです。
が、過去の参加作は見つからないので、初レコーディングの初リーダーってことになるのかもしれません。
共演歴はホームページのバイオ(http://www.francescociniglio.com/bio.html)見られます。
ベースのJoe Sandersは、堅実なベーシストとして記憶しています。
ちなみに、Aaron ParksのFSNTでの演奏は、Albert Vila盤以来の2枚目のようです。
 "THE UNQUIET SKY"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63683518.html)

この盤は、見つけてから入手までけっこう時間がかかってます。
リアル店で多少値段高めではいくつか見かけていたのですが、できるだけ安価に買おうと思いつつ買えなくなるのを危惧しつつ、何度かリアル店で買うかとか買うのやめるかとか考えたのですが、ぐっとこらえて(当初の入手目論見価格程度で)ようやく入手できた次第です。

ということで、メンツは初リーダー作としては豪華な面々と言えるでしょう。
Francesco Ciniglio(Ds)、Aaron Parks(P)、Joe Sanders(B)

演奏曲は、4曲のFrancesco Ciniglioのオリジナル。4曲の共作(は即興?)と、Wayne Shorter、Charles Mingus、Bud Powellで全部で11曲。真ん中(4-6)にジャズメンオリジナルを配した曲順です。

01 Childhood Toy
02 Wood
03 What Did You Say?
04 Edda
05 Duke Ellington's Sound of Love
06 Dance of the Infidels
07 Outer Space
08 New Super Mario
09 Now I Get It
10 Ina
11 Put Away That Toy

左手は普通のピアノ、右手はおもちゃのピアノでソロの演奏をする1曲目は、タイトル通り子供のおもちゃということでしょう。
2曲めからが本編で、コンテンポラリー系で美旋律の曲から。
Francesco Ciniglioが、挑戦的フレーズを繰り出すとそれに呼応するようにJoe Sandersが反応する。
Aaron Parksは、主旋律をかたくなに守った演奏をして、そのギャップがちょっとした緊張感を醸してわくわくしてくる。
3曲めは、ベースとドラムによるデュオの即興。Joe Sandersのベースの表現力がたっぷり堪能できる。
4~6曲めは、ジャズメンオリジナルで、ここでひと癖あるがジャジーな演奏を入れることで、インターバル的な役割になっているか。
7、8曲目はベースレスでの即興演奏。8曲めではおもちゃのピアノが再登場してます。
9曲めは、軽い打ち合わせのようなトークのあとベースとドラムの即興。やっぱりベースが良い味出してます。
10曲めもコンテンポラリー色を感じる曲
そして最後は1曲目と同じおもちゃピアノと本物ピアノの共演で大団円。

Francesco Ciniglioの繊細に鼓舞するちょっとダイナミックな演奏が、Joe Sandersの想像力豊かな演奏に火をつけ、堅実なだけではないところを見せているってことで、Francesco Ciniglioのドラミングが演奏しやすい環境を作り出しているんだろうなと推測。
そもそもJoe Sandersのバッキングには定評があるので、この両者のバッキングで前面での演奏を担うAaron Parksとしても、非常に演奏しやすく、良い演奏がしやすい状況だったのではないかと予想するのですが、それがしっかり体現できている出来だと思います。
とっても、創造性豊かな作品に仕上がっていると思います。

曲構成ですが、たぶん、ジャズメンオリジナルがメインメニューで、4曲の即興がサイドメニュー。
作曲している2曲がインターバルって位置づけなんでしょう。上で書いてることと違う。
でも、ベストは2曲めにします。この路線で引っ張ってもいいアルバムになったと思う。


"Wood" Francesco Ciniglio(https://www.amazon.co.jp/dp/B01CTZKZSA/)

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