Fred Hersch "Sarabande"

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Fred Herschの1986年録音のアルバムで、Charlie Hadenに捧げるということでのリイシュー盤。
wikiによると、Fred Herschは1985年に初リーダーアルバム"Horizons"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00001IVKL/)を録音し、このときのメンツもこの盤と同じCharlie HadenにJoey Baronとのもの。
その後、双頭の"As One"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00005NFIS/)を挟んで、本作が3枚めのリーダーアルバムにあたります。
Charlie Hadenに捧げる作品として、1枚めでなく3枚めのこれを挙げているところが、この盤の完成度の高さを予感させます。

ということで、メンツは以下の通り。
Fred Hersch(P)、Charlie Haden(B)、Joey Baron(Ds)

演奏曲は、Fred Herschのオリジナルが3曲に、Ornette Coleman、Jimmy Rowles等々で全部で9曲という構成。
01. I Have Dreamed
02. Enfant
03. The Peacocks
04. What Is This Thing Called Love?
05. Sarabande
06. This Heart of Mine
07. Child's Song
08. Blue In Green
09. Cadences

冒頭のゆったりとしていながら、尊大で悠然としたイントロだけで、これは凄いアルバムだと思わず息をのむ。
2曲めのOrnette Colemanという選曲もちょっと驚く(のは、自分の無知だかららしい)が、これが3曲めの
The Peacocksの美しさをより引き立たせているとも言えそう。
おおよそ、美麗曲と温度感高めの曲が交互に出てくるような構成で、美しさを追求するときは徹底的に美麗に、そしてガッツリいくときはしっかりガッツリとした演奏を聴かせ、その緩急のめりはりがこのうえなく心地よい。

特に、2曲めでの五月雨式連射のごとくのピアノの連打乱打の熱さ、4曲めで徐々にテンションが上がっていったあとの演奏とか燃えます。
安定の深く沈むCharlie Hadenのベースサウンドが個性たっぷりに揺るぎない自身のサウンドを奏でながら、それでいてFred Herschのピアノにしっかりと追従する。
2曲めとか7曲めのソロとか、もうCharlie Haden印そのものといった感じでたまりません。涙が出ます。
Joey Baronも緩急に応じてしっかり叩き分けつつ、それでいてあまり前面に出過ぎるようなことはない、好サポートをみせる。

ガッツリ系の演奏は若いが故の選曲かもしれないが、美麗曲の美しいタッチとか、これが3枚めのリーダーアルバムとは思えないほどの表現力で、近年の演奏をも彷彿とさせる個性を感じさせる。

ベストは、徐々に盛り上がっていくさまが楽しい4曲めにします。

Fred Hersch "Sarabande"(https://www.amazon.co.jp/dp/B0185Y35K4/)

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