"Zigzagger" 黒田卓也

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米BLUENOTEレーベルからアルバムを出した初の日本人として、話題になった黒田卓也さんの新作は、CONCORDレーベルからのリリースになります。
が、レギュラーグループにセルフプロデュースということで、前作以上の意欲を見せているんじゃないかと期待させるものはあります。

前作のBLUENOTEレーベルからリリースされた作品は下記。
 "Rising Son"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62514297.html)

メンツは、レギュラーグループということで、以下の通り。
New Century Quintetの一員で、最近活躍が目覚ましい大林武司さんがピアノに入り
(大林さんの新作が11月に出るよう(https://www.amazon.co.jp/dp/B01LTHLSCQ/))
Corey Kingは前作から引き続きの参加が、特筆事項といえそう。
Takuya Kuroda(Tp)、Corey King(Tb,Vo)、Takeshi Ohbayashi(Key,Syn)、Rashaan Carter(B)、Adam Jackson(Ds)
Keita Ogawa(Per:5,8,9)、Antibalas(G:10)

演奏曲は、オリジナル8曲、Corey Kingとの共作1曲。その他1曲。
日本盤ボーナストラックは、Zigzaggerをceroが再構築したもの。

01. R.S.B.D
02. Zigzagger
03. I Don’t Remember How It Began
04. No Sign
05. Do They Know
06. Thirteen
07. Little Words
08. Actors
09. Good Day Bad Habit
10. Think Twice
11. Zigzagger rework with cero

グルービーでエレクトリックなリズムが延々とループしている上で、黒田のTpを筆頭とする管楽器、大林のKeyがテーマにソロにと音楽を作り上げていく。
メカニカルでミニマルなリズムを縦横無尽に使いこなして、無機的でミニマルな雰囲気を振り撒く。
黒田のtpも軽く電気を通した音を使うことで無機的なサウンドに加担している。

曲の中でもリズムの展開が行われ、その度に音のテイストが変化するさまが面白い。
この面白さは、電気Milesか、susuto(https://www.amazon.co.jp/dp/B01B3IKD72/)か、DCPRG(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a46560240.html)のそれに近しい印象があること、はたまた、そこはかとなくでもymoの頃のテクノの雰囲気をも感じさせるか。

いずれもリズムは複雑だったり単調だったり無機的だったりだが即興は人間味があったのと同様に、ここでの演奏も同じくらいの塩梅の電気と人力の融合が感じられる。
ドラムのリズムはタイトだがサウンドが微妙にユルいところが良い具合に緊張感を削いでくれていてこれが心地良さに効いていそう。
大林の演奏からそこはかとなく坪口昌恭と同じ影響を感じるのも、偶然ではない気がしてくる。

この全体の塩梅が個人的にも良いところを突いていて、心地良いことこの上なし。

ベストは、2曲めのタイトル曲で良いと思います。


"Zigzagger" 黒田卓也(https://www.amazon.co.jp/dp/B01I5BU9L0/)

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