生活向上委員会 "生活向上委員会ニューヨーク支部"

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大雑把に来歴を記すと、もともと八王子アローンで"梅津""原田"の両氏が"生活向上委員会"を立ち上げ活動していた。
"梅津""原田"の両氏が渡米して活動中に、"生活向上委員会"名義でアルバムを作成。1975年。
帰国してから立ち上げた新グループをが"集団疎開"で、アルバムをリリース。1977年。
継続活動していた"生活向上委員会"と"集団疎開"が合体したのが"生活向上委員会大管弦楽団"で、2枚のアルバムを残した。
ということらしいです。

このうち、"生活向上委員会大管弦楽団"の2枚は1991年にCD化されてます。(現在廃盤)
集団疎開のアローンでのライブは、2006年にCD化されてます。(入手困難)
唯一CD化されていなかったのがNY録音の作品で、これがついにCD化されたってことで大事件であります。

アルバムを時系列で並べると以下の通り。
 1975年の"生活向上委員会ニューヨーク支部"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63896773.html)
 1977年の"Live at 八王子アローン"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a32084777.html)
 1979年の"THIS IS MUSIC IS THIS"(https://www.amazon.co.jp/dp/B000UUOK1A/)
 1980年の"ダンス・ダンス・ダンス"(https://www.amazon.co.jp/dp/B000UUOK1K/)

生活向上委員会大管弦楽団の2枚は運よく2005年に中古で見つけることができまして、これでずべて所有しているといえるようになりました。
 "生活向上委員会大管弦楽団"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a8022528.html)

このあとは、ドクトル梅津バンドの未CD化盤がCD化されるのを、首を長くして待つことに。
そういうわけで、本作は"梅津""原田"の両氏が渡米中に録音したものなんで、メンツも両氏以外はあちらの方。
梅津和時(As)、原田依幸(P)、Ahmed Abudullah(Tp)、William Parker(B)、Rashid Shinan(Ds)

演奏曲は以下のとおりの3曲。
1. Stravizauls
2. Kim
3. Not So Long Don

2管で提示される単純でちょっとファニーなテーマのあとから延々と続くフリー度の高い即興演奏に突入する。
ドラム、ベース、ピアノがカオスな演奏で空間を埋め尽くすなか、サックスがその充満したカオスを切り裂くようにフリーキーなサウンドをぶちかます。
その後も主役が、Tp、B、と変わりながら長時間にわたってカオティックな演奏が20分間持続する。

原田さんのピアノが怪しく鳴り響く冒頭から、梅津さんのサックスが和テイストを持ったフレーズで切り込む。
7分も過ぎたあたりで、ベースとドラムが加わりカオスな度合いの高い混沌とした演奏になだれ込む。
2管とも終始打ち鳴らされるシンバルと対峙するように延々高い音を出し続ける即興で、そのなんとも言えない狂気感が妙に心地良い。 こちらも20分を超える長尺の2曲め

最後は、童謡のような親しみ易い曲のテーマだけ。即興なしでさらっと演奏してアルバム終了。
LPの時間合わせとともに、生活向上委員会の一面のエッセンスを盛り込んだ演奏。

こんなんなんで、ベストは決められません。
ただ、とんでもない演奏で、歴史的価値のある演奏であることは間違いありません。


生活向上委員会 "生活向上委員会ニューヨーク支部"(https://www.amazon.co.jp/dp/B01ICP69YU/)

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