"Rising Grace" Wolfgang Muthspiel

イメージ 1

Wolfgang MuthspielのECMからの2~3作めです。
 "Driftwood" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62702978.html)
 "Travel Guide" (https://www.amazon.co.jp/dp/B00CE27F5U/) <これを入れると3作め。

ここ最近、ECMでの中堅ミュージシャンを起用したリリースが続いていましたが、これを個人的には一過性のものと見ていたのですが、外れているかもしれません。
Wolfgang Muthspielがこれで2(3)作めですし、Tigran Hamasyan, Vijay Iyerとか、複数作出てますし..。
今後、Chris Potter, Avishai Cohen, Aaron Parksとかも2作めをリリースするんでしょうか..。(興味津々)
と、言いつつ最近はEgberto Gismonti, Kenny Wheelerと古(いにしえ)の方々のアルバムのリリースがあるので、波がこっちに移ってきているのかもしれません。(だとしたら、一過性なのはあたっているかも..)

Wolfgang Muthspielとの個人的馴れ初めは、"Real Book Stories"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a14670269.html)で、その後いろいろ買い続けていますが、最初の印象が強すぎるせいか、"Real Book Stories"を凌駕したと思わせる盤とは巡り会っていないかなぁって感じであります。

が、本作はメンツがかなり豪華でかなり期待できそうな気配濃厚でありまして、そのメンツは以下の通り。
Wolfgang Muthspiel(G)、Ambrose Akinmusire(Tp)、Brad Mehldau(P)、Larry Grenadier(B)、Brian Blade(Ds)

演奏曲は、Wolfgang Muthspielのオリジナルが9曲と、Brad Mehldauの曲が1曲という構成で、全部で10曲。
01 Rising Grace
02 Intensive Care
03 Triad Song
04 Father And Sun
05 Wolfgang's Waltz
06 Superonny
07 Boogaloo
08 Den Wheeler, Den Kenny
09 Ending Music
10 Oak

大筋としてはコンテンポラリー系のサウンドと言えそうだが、重めで陰を感じる雰囲気を感じさせるのは、いかにもECMらしいと言いたくなるところ。
Wolfgang Muthspielの丁寧な演奏でのアルペジオ、Ambrose Akinmusireのtpの美しい響きによるテーマ吹奏と、これらに付かず離れず絶妙に寄り添うBrad Mehldauのピアノとのコラボレーションの見事さ。
なんと言ってもBrad Mehldauの、独特のフレーズを少し織り交ぜつつ、しっかり両者と溶け合うバッキングの素晴らしさに感嘆する。

これを、ベース、ドラムのリズムがこれまた良い塩梅の音量音圧でバックアップしていて、全体のサウンドバランスもまた秀逸と言うしかない。
ECMらしさをしっかり感じさせ、全体の印象は温度感低めでありながら、難解過ぎにならず、さりとて平易にもなり過ぎないところで音楽を組み立てていて、軽く聴き始めても演奏に耳が傾いていってしまい、結局じっくり聴いていることしばし。
良いもん聴かせてもらいました。

ベストは5曲めでしょう。

"Rising Grace" Wolfgang Muthspiel(https://www.amazon.co.jp/dp/B01IWXRWUM/)

この記事へのコメント