2016年のBEST3

今年も、昨年から続くラージアンサンブルを披露するコンポーザー勢に面白いものが多かったと思いますが、その派生のような、変わった楽器での中規模編成のバンドみたいなのも多く出てきていたと感じています。


今年もいろいろ良い盤が多く、まさに「悩みだすとキリがない」状態に陥いるのは例年のことでw、あまり悩まずズバッと決めて公開いたします。

例年の通り順番をつけないで下記3枚と、特別賞として発掘盤を1枚挙げます。



"Lovers" Nels Cline (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63915967.html)
"Lovers"なんて甘いタイトルだが、非常に緻密に作り込まれていて、楽器の特性に合わせた和音を巧みに組み合わせ、音量、音色、そのバランスと絶妙にコントロールされたアンサンブルの妙に圧倒されました。
もちろん、曲調に合わせて巧みに弾き倒すNels Clineのギターも秀逸であります。

"THE UNQUIET SKY" Albert Vila (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63683518.html)
主役無視でメンツ買いした1枚であるが、ことのほか聴き応えのあったアルバム。
目当ての面々の演奏が良いのは当然として、その一線級のメンツが盛り立てるAlbert Vilaのギターがもの凄く上手で、露出が多いにも関わらず、インパクトを感じない恐れすら感じるほど破綻なく淀みなく流暢なソロをたっぷりと聴かせてくれ、その素晴らしさに圧倒されました。


"Melancholy Of A Journey" 佐藤浩一 (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63804663.html)
佐藤さんは、Rabbitoo(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63674453.html)のピアニストとして知ったんですが、抑制を利かせつつ響かせる美しくも主張のしっかりしたピアニズムもさることながら、クールにさまざまな情景を想起させる作曲、アレンジ能力にも魅せられています。
リリースライブも堪能させていただきました。
 20160610 (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63741587.html)

特別賞
Bill Evans "Some Other Time" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63711376.html)
「お城盤」として有名な"At The Montreux Jazz Festival"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a10166931.html)と同じメンツで、わずか5日後に録音されたという音源が世に出たもの。
「お城盤」が名演なので、同じメンツ(Eddie Gomez、Jack DeJohnette)の他の音源は以前から渇望されていたと認識しているが、その3人がスタジオ録音を残していたということに驚愕。
これを世紀の発掘と言わずしてなんという!!

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