"e.s.t.Symphony" e.s.t. Symphony

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Esbjorn Svenssonが不慮の事故で亡くなったのが2008年6月14日。
 http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a53725638.html

当然ですが、その後の活動はなくなってしまっていますが、未発表音源のリリース
 "301" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61329109.html)
などありましたが、そろそろ過去の名トリオという位置づけになろうというところで、e.s.t.の名を冠したアルバムのリリース告知があり、思わず予約したものです。
内容は、タイトルにもあるとおりオーケストラを起用したe.s.t.作品というもの。
http://www.est-symphony.com/

メンツは、オーケストラ(Royal Stockholm Philharmonic)に、ソロイストとしてジャズメンを起用し、さらにe.s.t.のメンバーであったDan Berglund、Magnus Ostromも参加したもの。
Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
Marius Neset(Sax)、Verneri Pohjola(Tp)、Iiro Rantala(P)
Johan Lindstrom(Pedal Steel)
Dan Berglund(B)、Magnus Ostrom(Ds)

演奏曲はすべてE.S.T.のものが元で、Wonderland Suite、Viaticum Suiteみたいにアレンジしたものと元曲のままのタイトルのものが含まれます。

01. e.s.t. Prelude
02. From Gagarin’s Point of View
03. When God Created the Coffeebreak
04. Seven Days of Falling
05. Wonderland Suite
06. Serenade for the Renegade
07. Dodge the Dodo
08. Eighthundred Streets by Feet
09. Viaticum Suite
10. Behind the Yashmak

全体的なイメージとしては、オーケストラの壮大なスケールを持った演奏でe.s.t.の曲を再現しているというもので、弦楽器の作り出す重厚なハーモニーと、管楽器の幾重にも折り重なる重合的なアンサンブルとを、ドラムのカウントで聴かせるような全体像として聴いています。
e.s.t.の作る曲の面白さを主に聴かせようという意図を感じさせるアルバムという解釈で良いと思います。

この盤を聴いていて、個人的にe.s.t. の面白かったところは、曲の面白さというより、演奏、アレンジの面白さにあったんじゃないかと思い始めていて、こういうコンセプトだとちょっとなんだかなな気分も実はあるんですが…。
冷静に考えて、演奏、アレンジの面白さが、この曲ゆえと解釈すれば、このコンセプトも理解できるところではあります。

で、何度となく聴いていると、毎回過去に聴き馴染んでいたあの旋律が聴こえてくると、その都度e.s.t.だなぁと思うのも事実。
ピアノの登場頻度は少ない(見識だと思う)が、7曲め冒頭の響きを除去したピアノのパルス音とかEsbjorn Svenssonの特徴的なサウンドはしっかり再現されていて、こういうのは嬉しいところ。

主旋律以外の大半のパートがオーケストラで演奏され、それがピアノトリオの音の領域にまで侵食してきている感じと解釈するのが良さそう。
ただ、Pedal Steelが効果的なのか、オーケストラというには音の種類はより多彩に聴こえるので、そこは、アレンジの妙、楽器使いの巧さというのもしっかり効いていそう。

ベストは、3曲めにしましょう

"e.s.t.Symphony" E.s.t. Symphony (https://www.amazon.co.jp/dp/B01JKG7V38/)

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