林栄一As4 (20170121)

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2017年の初ライブは、林栄一さんのカルテットになりました。

メンツは、還暦越えの3人に20代前半の高橋君が入る編成で、かなりの年の差ユニットということになります。
個人的にこのライブを見ようという動機は、この高橋君を聴きたい。
こういうメンツの中で、どんな演奏をしてくるかが興味津々だったことが主な動機ってことになります。

かくいうメンツは以下の通り。楠本さんはライブで聴くのは初のよう。
林栄一(As)、高橋佑成(P)、早川岳晴(B)、楠本卓司(Ds)

開演の19時30分頃に到着、先客が3人くらい、最終的に10人超くらいの集客。
ピアノは位置を変えず、側板をはずしてあるくらいで。その内側に早川さんでこの日はデカいアコベを持ち込んでいました。ドラムは左端で、シンプルなセッティング。
ドラムとベースの間の前方に林さんが立つようなステージ構成。

おおよそ定刻の20時過ぎに開演。
お店の告知に「ブルージーで唄うヤツやりたい。」なんて書いてあるとおり、最初はブルースなリズムの曲からで、たしかCharles Mingusだったと記憶。

林さんがテーマを演奏し、そのままソロ、その後高橋君のソロ、早川さんのソロとまわるのが大半の曲での流れで、これは8割がた同じ流れ。

後で聞いたら、リハーサルなしで、ドキドキしながらお店に来たなんて言ってたくらいで、高橋君と、早川さん楠本さんは、開演20分前(自分が着いてすぐくらい)に「初めましてですよね。」みたいな会話をしていたのが聴こえたくらい。

ということで、完全にぶっつけ本番ってことでありますが、たしかにソロ交換のタイミングを計っている場面とか、さすがに露骨ではないが、目くばせ音くばせ、でタイミングを見ているのがスムーズではなかったし、それでも上手くいかない場面がちらっと見えたり、あえて意図的に無視したりはぐらかしたりという場面が見えたりと、こういうのはライブの醍醐味と言えるでしょう。
こういう交歓を見てるのもスリリングで楽しいもんです。

林さんの奏でるテーマは、概ね旋律通りで、ところどころにおかずを入れ込んでくるくらい。
そして、ソロは骨太な音色と、独特のトーンを使った、個性爆裂にバラードをバラードに聴かせない演奏はいつもの通り。今回、バラードだらけだったので体力的にはちとキツかったよう。
続く、高橋君のソロは、林さんの後ろでのバッキングはあまり個性を出してくるような感じではなかった(後半はだいぶ攻めてた)が、ソロになるといかにも若い人の演奏と感じさせる、和音の選びかた、フレーズのアウト具合、そのフレーズの速さ、旋律の組み立てとか、空気が変わるのを感じるくらい。

ドラムとベースは安定感ある骨太なサウンドで演奏をがっつり支えているわけだが、高橋君の演奏に感化されてなのか、テンションの高い演奏を見せる場面も。

林さんの往時の中央線的アプローチのフリー対高橋君の若い世代のクールなフリーの対決といった様相をも
(本当は対比の面白さ)見せながら..。とくに、1st最後でだけ演った非バラード曲(この日はバラード縛りなんで、これだけ例外曲だった)が、4者の持ち味が全部出てきたように感じるくらい非常に面白い演奏を楽しむことができました。

1stセットが1時間くらいで4曲。2ndセットもほぼ定刻スタートで同様に4曲で1時間くらい。アンコールも応えてくれました。
演奏曲は、Charles Mingusが多めで、他にCharlie Haden、Thelonious Monk、Kurt Weill、とか演奏者オリジナルはやらないでジャズメンオリジナルだけでの構成。

外はかなり冷え込んでいた晩でしたが、焼酎お湯割りと演奏に酔いしれた熱い夜を堪能させていただきました。

終演後に、持参した高橋君のディスク(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63463922.html)にサインをもらいひと段落したところで辞してきました。

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