John Moulder "Earthborn Tales Of Soul And Spirit"

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John Moulderの新作は、参加メンバーにそそられて購入を決めたものです。
もっとも、コンテンポラリ系ギタリストのリーダー作はできるだけ聴いてみようとは思っているので、そういう意味ではこの作品も買うべき作品ではありますが..。
ちなみに、過去作は自blogを漁ったら1枚出てきました。
 "Eleventh Hour: Live At The Green Mill" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61278872.html)

気になったそのメンバーは以下の通りで、ベースにSteve Rodby、ドラムにPaul Werticoが入っていること。
活動休止中のPat Metheny Groupの一番人気が高かった時期のリズム隊の2人の参加。
3曲ではありますが共演もしています。
さらに、最近何かと話題の多い、Donny McCaslinが入っています。
John Moulder(G)、Donny McCaslin(Ts)、Marquis Hill(Tp)、Jim Trompeter(P)
Steve Rodby(B:1,4,6)、Eric Hochberg(B:2,3,7,8)、Larry Gray(B:9)
Paul Wertico(Ds:1,4,6,9)、Xavier Breaker(Ds:2,3,7,8)
Kalyan Pathak(Tablas)

演奏曲は、すべてJohn Moulderのオリジナルで2つの組曲を含む下記9曲。
01. Earthborn Tales
02. Journey to the East Pt.1
03. Journey to the East Pt. 2
04. Journey to the East Pt. 3
05. Soul in Twilight (Intro)
06. Soul in Twilight
07. Ruby's Way Pt. 1
08. Ruby's Way Pt. 2
09. Farther Reaches

曲調としてはコンテンポラリー系と言える範疇のもので8ビート曲と、美旋律系とを中心としたもの。
このバンドは、ギターがリーダーでありながら2管をフロントに据えているのが特徴的なところで、ギタリストリーダーのコンテンポラリー系で企画ものでない作品の場合、最近は多くても1管の5人くらいまでが多いので、ちょっと珍しい編成と言えるでしょう。

サックスとトランペットのアンサンブルを従えて、ギターが心地良いソロを繰り広げているようなスタイルが心地良い1曲め。
2-4曲めが組曲になっていて、タイトルが「東へ」なんですが、曲調からは、東欧くらいの印象か?
2曲めが、tablaが前面に出てリズムを刻む中、アコギでのソロをかき鳴らす。
3曲めが、同様のリズムをサックスが前面に出て、ロングソロを繰り広げる。
最後の4曲めは、リズムを強調しない美旋律系でトランペットが全面に出てくる。

以降、6曲めの美旋律系、7曲めの大仰なゆったり感のある曲、8曲めは、歪系ギターでロック調、9曲めが4ビートの明瞭感ある曲と続く。

Steve Rodby、Paul Werticoが入るのが前述の通り3曲。
1曲めが8ビートのちょっと陰あるさわやか系の曲で、とくに後半のギターソロが入る前後からの盛り上がりが格好良く、両者もノリの良い演奏を聴かせる。
4曲め、6曲めが、似たテンポの美旋律系で、Paul Werticoは美しいシンバルの響きと、Steve Rodbyの丁寧な爪弾きが聴ける。
が、いずれもとくにソロ等はなく、基本的にはリズム隊として裏方に徹している感じで、特にPMGを彷彿とさせる感じでもない。

と、最近話題のDonny McCaslin。8曲めとかかなり気合の入ったソロを聴かせてくれててこれまた満足度をあげてくれてます。

ベストは9曲めにしましょう。


John Moulder "Earthborn Tales Of Soul And Spirit" (https://www.amazon.co.jp/dp/B01KGLE15W/)

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