"Songs From Afar" Lucian Ban

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Lucian Banはルーマニア出身のピアニストで、個人的にはまったく未チェックの人、John Hebert、Eric McphersonというFred Hershのレギュラートリオの2人が入っていることで、一部でチェックされているようです。
ということで、Fred Hershトリオでは盤石な演奏を繰り広げる2人が、他のリーダーの元でどういう演奏をしているかが興味の1つと言えそう。

メンツは、リーダーのLucian Ban、Fred Hershトリオの2人、サックスのAbraham Burtonは
 Tyler Mitchell "live at smalls" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61679132.html)
で聴いていることになってます。
それに、Viola, Voiceがゲストで入る構成。
Lucian Ban(P)、Abraham Burton(Ts)、John Hebert(B)、Eric Mcpherson(Ds)
Mat Maneri (viola:2,3,5,6,9)、Gavril Tarmure (Vo:1,5,8)


演奏曲は、以下の通り。
ボーカルが入る3曲がTraditionalで、残りはLucian Banのオリジナル。
01. Transylvanian Sorrow Song
02. Farewell
03. Travlin' With Ra
04. Solo For A Brother With Perfect Timing (For Al)
05. Transylvanian Wedding Song I
06. Chakra, The Island
07. Spiritual (For HJ)
08. Transylvanian Wedding Song II
09. Southern Dawn
10. Teaca, A Song From Afar

冒頭、ピアノにサックスが絡むイントロから男性が独特の古いスタイルの歌を歌いだして、ジャズを聴く耳からするとちょっと驚くが、Traditional Folk Song とクレジットされているとおり、古くからのルーマニアの民族音楽であることに納得。
これを、この後も含め都合3曲入れてきているので、これでちょっと聴く体勢が変わってくる...w

2曲め以降は、スローテンポのテナーカルテットの演奏にViolaが紛れてくるスタイルで、ちょっとスピリチュアルな雰囲気を醸したものという印象。
ジャズとしては異色の楽器であるViolaは、テナーカルテットの演奏に紛れるように演奏しているのが基本だがしっかりソロも取っていて、ソロではクラシックでの弦楽器の演奏のように繊細な音色ではなく、勢いを感じさせるような弾きかたをする場面が多く、スピリチュアルな雰囲気はこのViolaのサウンドが効いている部分も大きいと思わせる。
ドラムもリズムが判るよう叩いているが、特にベースがしっかりとした力感のある音で全体を下支えしているので、それを拠りどころに聴いていると満足度は高いと感じる。

個人的には、サックスが丁寧な演奏でありながら力強い音色で繰り広げる即興が、そこはかとなくある種の美しさを感じさせるところと、そのサックスのソロの場面でピアノが優しく寄り添うように合いの手を入れてくる場面が気に入ってます。

ベストは、ちょっと牧歌的な9曲めにしましょう。

"Songs From Afar" Lucian Ban (https://www.amazon.co.jp/dp/B0153YEX6O/)

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