"Make Noise!" Jeremy Pelt

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相変わらず、ペースを崩さすほぼ1年に1枚ずつ新譜を出してきているJeremy Peltの今年の新作です。
前作はシンプルにワンホーンカルテットでのアルバムでしたが、本年はその前作で1曲あった、パーカッション入りのクインテットを中心とした演奏集です。
その前作は
 ”#Jiveculture” (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63672161.html)
一般的に(というか古いbluenote盤を聴いていた身には)、パーカッション入りというと、コンガ、ボンゴとかのチャカポコいうアフロキューバンな雰囲気を想起するんですが、Jeremy Peltがそんなベタな演奏を採用しているかと、タイトルとジャケを見ると、新しいサウンドテイストの曲調できたか!?という2極の興味が涌いてくるのが、事前の感触。

メンツは前作からもがらっと変わって、ほぼ無名の面々を入れた下記クインテット編成。
Jeremy Pelt(Tp)、Victor Gould(P)、Vicente Archer(B)、Jonathan Barber(Ds)、Jacquelene Acevedo(Per)

演奏曲は、Jeremy Peltのオリジナル7曲、Simona Premazzi1曲(5)に、Percussinソロの1曲めに、Drumソロの6曲めを入れた全部で10曲。Simona Premazziは前々作"Tales Musing & Other Reveries"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63111583.html)に参加してたピアニストでした。
01 Prologue - Introduction to "Make Noise!"
02 Make Noise!
03 Prince
04 Cry Freedom
05 Digression
06 Introduction to "Evolution"
07 Evolution
08 Chateau d'Eau
09 Your First Touch...
10 Bodega Social

アルバムタイトル、ジャケットの雰囲気から予測される最近のジャズの流れからしたら、真っ当に4ビートとそれに準ずるスタイル。
さりとて、パーカッションが入ることで想起される軽めの曲調かと言われれば、さにあらず、思ったよりもシリアスでモーダルな曲調か多め。

Jonathan Barberのヘヴィ級のドラムと、Vicente Archerの重厚感あるベースがシリアスな曲調に拍車をかけて重量感を与えているのが印象的。
Victor Gouldのピアノが派手に立ち回るようなことはないながら、耳に残る良い演奏をしていて、これが大きな聴きどころのひとつと言えるでしょう。

Jeremy Peltの正統的でありながら、表現力の豊かさからか、全然退屈な感じにならない安定感のある演奏がこれまた見事なところ。
これがあるから、フォーマットを変化させメンツを変化させ新機軸を打ち出してきているわりには、毎年安心して新作を楽しめるというもんであります。

実は、全体を通して聴いての良さが真骨頂ではあるとは思いますが、あえてベストは10曲めにします。

"Make Noise!" Jeremy Pelt (https://www.amazon.co.jp/dp/B01NCAS1B4/)

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