Yaron Herman "Y"

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Yaron Hermanは演ってることがなんだか気になる存在ってことで、アルバムが出ると手が出てしまいます。
前作は、一昨年(2015年)秋のベースとのデュオ作。
 "Everyday"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63450223.html)
その前が2管のクインテットだったので、ここでトリオ構成とシンプルなものに立ち返ったと、表面上は見えます。

メンツは以下の通り。3曲でゲストが入るのが気になるところ。
Yaron Herman(P)、Bastien Burger(B)、Ziv Ravitz(Ds)
Matthieu Chedid(Vo,G:4)、Dream Koala(Vo:7)、Hugh Coltman(Vo:9)

演奏曲は以下の通り。共作もあるがおおざっぱにYaron Hermanのオリジナルと言って良さそう。
01. First Dance
02. Legs to Run
03. Phoenix
04. Saisons Contradictoires
05. Jacob
06. Silhouettes
07. Solaire
08. Side Jump
09. The Waker
10. Spark
11. Fun Groys Dasad
12. Dreamson

ピアノとその逆回転音のイントロから、息を吸い込む音(これ、けっこうインパクトある)が入って本編に突入。
クセのある8/6拍子ぽい中東色をそこはかとなく感じさせながら幻想的ともいえそうな作風で、エコーのかかったボイスが入ったり、ベースはシンセベースだと思うがけっこうな低音がブーとかボーとか言ってるのが印象的。
2曲めはピアノで左手3音だけのミニマルなリズムのイントロがちょっと長めに続いたあと、低音(ここもシンセベース)が入って重厚感が増し、ドラムが入ったところで躍動感が出てくるちょっとドラマチックな曲。

3曲でゲストが入るが、基本はピアノトリオフォーマットでの演奏なんで、オーソドクスに Yaron Hermanの音世界が展開されるかと思いきや…。
音作りとしては、単調で印象的なリズムに上記の通りシンセベース、いろんな電子音、電気的に加工された音を効果的にかぶせて、新しい響きを創出してきているような作風。
とはいえ、しっかり時間をとったソロはちゃんとあるし、そのソロで唸るというより歌ってたりとジャズな展開もしっかり出してくる。
と、一筋縄ではいかない作品。

後半はビートのしっかりしたThe Bad Plusみたいな曲と、ビート感薄いボイス入りの曲がほぼ交互に出てきて終焉に向かう。
と言う感じなんで、おもしろいのは前半ってことになるのかなぁ。


ベストは、3曲めにしましょう

Yaron Herman "Y" (https://www.amazon.co.jp/dp/B01N5TMIVU/)