"Pianium" m.s.t.

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ここのところ楽しみにしているという感じで、安価なミニアルバムがリリースされると無条件購入をしていまして、おおむねタワー限定リリースのアルバムなんですが、なかなかクオリティの高い演奏を聴かせてくれてて面白い。
本作もその一環で見つけ、無条件に買いを決めたアルバム。

m.s.t.としてはピアノとベースの2人組のユニットのようだが、本作では全曲でドラムが入り、2曲では弦楽器他が入る豪華な布陣。
これがメジャー初リリース、自主制作を入れると3枚めのアルバムのよう。

持山翔子(P)、小山尚希(B)
山内洋一朗(Ds)
佐藤芳明(Acc:4)
銘苅麻野(Vln:3,4)、雨宮麻未子(Vln:3,4)、河村泉(Viola:3,4)、村田順平(Cello:3,4)

演奏曲は、持山のオリジナルが3曲(1,4,5)、小山のオリジナルが1曲に、有名曲で全部で5曲。
1. Alive
2. Waltz For Debby
3. 朝靄
4. 夢
5. Pianium

m.s.t.というユニットとしては、ピアノとベースのデュオではあるが、ここでは前述のクレジットの通り全曲でドラムが入り、2曲はさらに豪華な面容となる。

1曲めは、バスドラムが一定のビートを叩く上での、ピアノの主旋律とベースの合いの手のような低音で演奏される2ビートかと思わせるような曲。
ベースソロはアルコで、ピアノソロはあまり高速(昨今の流行は女性の早弾きだw)にならず表情豊かな演奏を聴かせる。
ドラム先導ではあるがドラムがあまり派手に立ち回らずにリズムキープだけと考えれば、それで脇役とも言えそうだが、最後はドラムソロで終わる。

2曲めが有名曲で、最初のテーマをピアノだけで演奏し左手の伴奏がベースに入れ替わるというアレンジで、Bill Evansの演奏との違いを明確に表す。
ドラムが入って本編という感じになるが、あまりスウィンギーに演奏せず、流暢さを前面に出し抑揚を抑えたような演奏で、Bill Evansの演奏に馴染んでいるとちょっと単調に聴こえるか。
しかし、この有名曲に挑戦する意欲は買わないといけないでしょう。

3曲めで弦楽器を加え音の響きに厚みを持たせ変化をつけ、ベースソロもエレベで変化を見せる。
ここでも明瞭なビートを前面に出した演奏。
4曲めも同様に弦楽器が入る曲で、さらにアコーディオンが入りタンゴ調の曲調になる。

5曲めは流暢美麗でキラキラしたピアノのイントロから、ドラムが入ってくる展開。
ここでも2ビートかと思わせるくらい明瞭なビートを基調にしている。

リズムは明瞭でしっかりしているが、タッチだったり音圧だったりがあまり強く出るサウンドには持っていかない。
ピアノの持山翔子(http://profile.ameba.jp/shoko-mochiyama/)が、作曲家、ライブサポートで、かなり重用されている人材のようで、そういう耳で聴くと、たとえばニュース番組のオープニングに採用されてそうな感じ。

そもそもが2人のユニットであることと5曲だけという凝縮したアルバムなので、ドラムが客演するのは許容するにしても、本来的には弦楽器他ゲストの入った曲を1曲にして、2人だけでの演奏を入れるべきではなかったかとも思うんですが、このユニットの定常活動形態がゲスト多用であるならこれで良いんですがどうなんでしょう。

ベストは5曲めにしましょう。

"Pianium" m.s.t. (http://tower.jp/item/4472984?kid=psg03)

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