"Gratitude" Dayna Stephens

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Dayna Stephensの新作は、前作の続編と言った感じの作品で、同じメンツで同様にバラード集のリリースです。その前作は2015年紹介の下記。
 "Peace" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63057956.html)

前作のときも、うなったんですが豪華なメンツを揃えていまして、詳細は下記一覧を参照してもらうことにしますが、皆それぞれにスケジュールがひっ迫してそうなメンツばかりなので、前作のときと今作と2回もスケジュールを合わせるなんてことがよくできたなと驚く。もしかしたら、前作の時にたくさん録音しておいたのかもしれない。
Dayna Stephens(Ts,Bs,EWI,synth,B:9)、Brad Mehldau(P)、Julian Lage(G)、Larry Grenadier(B)、Eric Herland(Ds)

演奏曲は、古今のいろんな人の曲を集めているようで、
Aaron Parks、Julian Lage、Pat Methny、Billy Strayhorn、Rebecca Martin等々にオリジナルが1曲という布陣
01. Emilie
02. In a Garden
03. Amber Is Falling
04. Woodside Waltz
05. We Had a Sister
06. The Timbre of Gratitude
07. Isfahan
08. Don't Mean a Thing at All
09. Clouds

前作同様、全員が揃って演奏するものばかりでなく、曲によって多少の入れ替わりは発生している。
バラード集ということで、ゆったりとした音楽が続くわけだが..。

Dayna Stephensの、音色表現の多彩な演奏が、バラードでありながらただただ甘すぎるだけの演奏にはならず、さりとて辛すぎもしない(多少辛めより)絶妙な塩梅の温度感で演奏が進行する。
Brad Mehldauの盤石のバッキングは、いつもの特筆すべき素晴らしいもので、これは安心のクオリティ。
Julian Lageの柔らかい音色で軽妙に奏でるフレーズによるソロとバッキングは、なんか心に残る。
Larry Grenadierのぐっと沈み込む低音がCharlie Hadenを彷彿とさせるくらいに格好良い。
Eric Herlandの繊細でありながらダイナミック、それでいてバラードの雰囲気を崩さない絶妙なドラミングはこれも安定の上手さを見せる。
前作では、Julian Lageの演奏が印象的だったと記載しているが、本作では主役のDayna Stephensのサウンドが何と言っても素晴らしい。

4曲めがJulian Lageのちょっとブルーグラスな雰囲気を醸す曲で、ここでのBrad MehldauとJulian Lageの掛け合いでのバッキングが楽しい。
5曲めのPat Methenyの"We Had a Sister"で、 Dayna StephensはEWIを演奏して雰囲気が変わる。そして中盤のBrad Mehldauのロングソロも素晴らしい。
7曲めがBilly Strayhornの有名曲。ギターサックスベースの3者で軽快に奏でられる演奏が沁みる。

ベストは4曲めでしょう。

"Gratitude" Dayna Stephens (https://www.amazon.co.jp/dp/B06XGF6C66/)

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