Federico Casagrande "Fast Forward"

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Federico Casagrande というイタリア系のギタリストのリーダー作で、これが個人的には初聴き。
宣伝文句で、コンテンポラリ系ギターが聴けそうということで購入に至っていますが、それ以上の期待感って感じもありません。
Joe Sandersは、ジャケが印象的なデビュー作 ”Introducing” (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61215300.html) から、サイド参加作で名前を見る頻度が高い印象で、自blogを検索すると20弱の作品が出てくるほど。リーダー2作めは出ていなさそう。
Ziv Ravitzは、Yaron Herman、Shai Maestroのリーダーアルバムに、いずれもレギュラーとまでは言わなくても起用頻度はかなり高く、Yaron Hermanの最近作”Y” (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64129125.html) にも入ってました。
という実力者を揃えたメンツは以下の通り。
Federico Casagrande(G)、Joe Sanders(B)、Ziv Ravitz(Ds)

演奏曲はすべてFederico Casagrandeのオリジナル
01. Awakening
02. Fast Forward
03. Unanswered Questions
04. Sweet Power
05. Youth Hostel
06. Mixed Feelings
07. Nantong
08. Bozza
09. Step By Step

アコギソロのアルペジオでのダイナミックな演奏の1曲めは、イントロ的な以降の演奏とは毛色の違うもの。
エレギに持ち替えて、7拍子のコンテンポラリ系の曲からが本編という解釈で良いでしょう。
その1曲めの中盤に出てくるFederico Casagrandeのちょっとメカニカルなイメージのするソロが格好良い。

5曲めで、Bill Frisellを彷彿とさせる2ビート牧歌調楽曲を入れた程よい変化も好印象。
最後が、ギターを響かせないで弾いた曲で、カリンバのような効果を持たせているところが面白い。
曲調もちょっとアフリカっぽいか。

全体の印象としては、ギターもベースもドラムも、しなやかに音を繋げていくようなスタイルを基本として、現代的でありながら流麗で端正なサウンドを繰り広げる。
そのぶん、ソロとかアクセントにガツンとした打音、ガッと弾く弦音で粒立ちの良い音を入れることで良いアクセントをつけていく。

Federico Casagrandeのギターが、1曲めのアコギから5曲めの牧歌調等々と相応に幅のある演奏を聴かせるが八方美人というほどではなく、基本スタイルはしっかり持っていて筋の通った主張をしているのが好感触。
早いフレーズも弾くがあまり荒れた演奏にはならないわところが、テクニック面でも上手さを感じさせる。

ベストは4曲めにします。

Federico Casagrande "Fast Forward" (https://www.amazon.co.jp/dp/B06W2L35KC/)

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