"INFINITUDE" Ingrid & Christine Jensen

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Ingrid JensenとChristine Jensenは、きっと姉妹なんだと思いますが、Christine Jensenは過去に名前を聞いたことがなかったのですが、調べるとオーケストラを率いてアルバムを数枚出していたようです。

本作は2016年のリリースでして、新譜でないんですが購入に至った経緯は..。
2017年6月にMaria Schneiderが3年ぶり来日して旋風を巻き起こしていきましたが、Twitterだかで、どなたかの「Maria Schneiderの音楽の小編成版」みたいな記述をみて、俄然聴いてみたくなったというもの。

Ingrid Jensenは、過去にリーダー作を聴いてはいないのですが、Maria Schneider、Darcy James Argueのオーケストラ作、
Mimi Jones "Balance"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62843766.html)
Bjorn Solli "Lyngor Project Volume 1"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63030539.html)
等で良い演奏を聴いていたので、名前のチェックはできていました。
なんで、この盤はIngrid Jensen盤として買ってる部分が大きいかも。

メンツは、そのJensenしまいに、Ben Monderを加えたもの。
このBen MonderもMaria Schneiderオーケストラの一員で、David Bowie盤でも良い演奏をしてました。
最近、注目度急上昇のギタリストという認識です。
Ingrid Jensen(Tp)、Christine Jensen(As,Ss)
Ben Monder(G)、Fraser Hollins(B)、Jon Wikan(Ds)

演奏曲は、Ingrid Jensenが3曲、Christine Jensenが5曲、Ben Monderが1曲オリジナルと、Kenny Wheeler(6)で全部で10曲。
1 Blue Yonder
2 Swirlaround
3 Echolalia
4 Octofolk
5 Duo Space
6 Old Time
7 Hopes Trail
8 Trio
9 Garden Hour
10 Margareta
11 Dots And Braids

曲調は、確かに Maria Schneider の、あの雰囲気を意識すれば意識できるような曲調であることは理解できる。
が、この作品は、Maria Schneider作品の小編成バージョンとしてだけ聴いたら、ちょっともったいない。

2管とギターの3つの楽器をいろいろ組み合わせて、さまざまなサウンもを作り上げ、それらを組み立てることで曲が出来上がっていく。

2つの楽器でのバトルのような交歓、
2つの楽器によるアンサンブルとその上でのソロ、
1つの楽器のソロと1つの楽器の伴奏 等々
そして組み合わされる楽器が変化することで、出てくるサウンドのバリエーション。

しっかりとコントロールされ、温度感は低めなれど力強い音の厚みを感じさせる、2管で丁寧に紡がれるアンサンブルの美しさ。
Ingrid Jensenの、トランペット、フリューゲルホーンの音色が、角が取れ、エコーがかかったような美しい響きで、これが木管楽器的な雰囲気を醸している。

音色の変化で表情を自在に変化させ、端正な側面から、荒々しい面まで見せるBen Monderのギターの表現力。
曲調としては、綺麗な音で端正なサウンドでありながら歪んだり荒れた音を多用してアクセントを加えている。

これらをバランス良く散りばめることで、音の表情をつくり、それがラージアンサンブル的な表現になっていると言われれば、それは大いに納得できるところではあります。

ベストは4曲めにしましょう。


"INFINITUDE" Ingrid & Christine Jensen (https://www.amazon.co.jp/dp/B01M1I98DU/)

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