Brilliant Monkies "Brilliant Monkies"

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日本の若手ミュージシャンによる「モンク生誕100周年記念プロジェクト」での特別ユニット。
とはいえ、普段よく一緒に演ってる面々が顔を揃えているだけのような気もするが..。

かく言うメンツは、須川、石若は言わずもがなの引く手数多のベースとドラム。
西口はMegapterasのアルバム "Full Throttle"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64089086.html)で。
Aaron Choulaiは、吉本章紘のリーダー作 "Moving Color"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63339524.html)で、聴いている。特にAaron Choulaiは上記アルバムでしっかり名前を覚えたくらいのインパクトがあった。
広瀬、吉峯は初聴きのよう。

西口明宏(Ts,Ss)、広瀬未来(Tp)、石若駿(Ds)、Aaron Choulai(P)、須川崇志(B)、吉峯勇二郎(B)

演奏曲は、プロジェクトのとおり、Thelonius Monkの曲だけ。
01 Little Rootie Tootie
02 Round Midnight
03 Friday 13th
04 Eronel
05 Brilliant Corners
06 In Walked Bud
07 Theophilos
08 Panonica
09 Straight No Chaser

Thelonius Monkの有名曲を、日本の若手ミュージシャンがどれだけ新鮮に聴かせるか。
お馴染みの曲にどれだけ新しい魅力を盛り込めるかが、聴きどころでしょう。

ほぼ違和感のないテンポで、おおむねきっちりと4ビートを刻む、オーソドクスなスタイル。
という意味では、ストレートアヘッドでまっとうなジャズと言えそうだが、その演奏自体はけっこうブッ飛んでて、フレーズを変なふうにアウトさせ、フリー調な即興演奏を交えながら、それでいて元曲の雰囲気を壊していないところが素晴らしい。
Thelonius Monkの曲の雰囲気を強調したような作風に仕上げているとも言えそう。

須川、吉峯のツインベースが付かず離れずの間合いでウォーキングを決めて、リズムの厚みを出す場面。これが強力なグルーブを生み出しているのが格好良い。

Aaron Choulaiの繰り出すフレーズが、ちょっと独特な節回しでありながら、それでいて格好良い、面白いと思わせるもので、これが個人的には楽しくて..。
リーダー作は、近々リリースされる(https://www.amazon.co.jp/dp/B073XKDNKF/)ようだが、実は
生でも見れてない。

西口、広瀬の2管がフロントでありながら、あまり派手な立ち回りをしていない印象で、凡庸な演奏で物足りないと言いたくなるが。
実は元曲を冷静かつ忠実に再現しているのはこの両者の抑制を利かせた演奏があるが故で、個性の強い他の面々の良さを引き出すべく、理性をなくさずきっちりと演奏しているのが、このユニットの成功要因ではないかと勘ぐる。

ベストは1曲めでしょう。

Brilliant Monkies "Brilliant Monkies" (https://www.amazon.co.jp/dp/B072J1MPJ3/)

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