Bill Evans "Another Time"

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"Bill Evans"の、いや"モダンジャズ"の・・・、違う"ジャズ全般"の中の名盤の1枚である、お城盤として有名な
 "At The Montreux Jazz Festival"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a10166931.html)
が録音されたのは1968年6月15日。
その、わずか5日後にスタジオ録音された音源が先日発掘リリースされた下記アルバム。
 "Some Other Time" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63711376.html)

これまで長らくの間この3人での演奏はモントルーライブの1枚だけで記録されていたとされていたので、ものすごく驚愕しましたが、さらにその2日後のオランダでのコンサートの音源が出てきたのが本作です。
1968年6月22日 オランダのヒルフェルスムで行われたもので、ラジオ用音源が元とのこと。

この3人のトリオの活動期間は6ヵ月と短いものだったらしいが、欧州での3種の音源が出てきたことになるがこれだけ発掘があると、まだ、たとえば米本国での音源とか、どこかにあるんじゃないかとか期待しちゃいますが..。
どうなんでしょうねw

メンツは、言わずと知れた3人。
Bill Evans(P)、Eddie Gomez(B)、Jack DeJohnette(Ds)

演奏曲は以下の通り、愛奏曲を中心とした9曲。
1. You're Gonna Hear from Me
2. Very Early
3. Who Can I Turn To?
4. Alfie
5. Embraceable You
6. Emily
7. Nardis
8. Turn Out the Stars
9. Five

Eddie Gomezが、前面に出てくる頻度が多めな印象は、大きめの音で録れているからか。
低音をゴリンと響かせる場面と、うねるようなフレーズにビブラートを入れる独特な高音の使い方はしっかり見られるが、弦を打つ音は希薄で、そこが妙に印象的。

3者とも、録音のせいかもしれないが、粒立ちの良い音を出していて、演奏もノリの良さを見せるもの。
モントルーほど攻め過ぎておらず、良い意味で緊張感を低めた、多少なりともくつろぎ感のある演奏で、それがある種の聴き易さになっている印象。

攻め過ぎていない緊張感の低さが、のびのびと気持ち良く弾くことに繋がり、それが全体に肩の力が抜けた演奏を引き出しているんじゃないか。
肩の力が抜けたが故に、タッチがはっきりした印象の演奏につながっているんじゃないかと、上記感想のいろんなところがいろいろ繋がっていることを感じさせる。

ベストは、3曲めにします。

Bill Evans "Another Time" (https://www.amazon.co.jp/dp/B06XGV695F/)

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