Charles Lloyd "Passin' Thru"
当初、個人的にはあまり食指が動かない感じではあったのですが、周囲の評判から聴いてみるといずれも内容が充実していて、聴いてよかったと思わせるものでありまして、本作も早くに購入を決めています。
Wild Man Dance"http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63194996.html
"I Long To See You"http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63841275.html
メンツは、前作、前々作と古楽器、ギターとハイライト的な楽器を入れてきていましたが、本作ではシンプルに1ホーンカルテットでライブ録音でありました。ただしメンツは強力。
Charles Lloyd(Sax,Fl)、Reuben Rogers(B)、Eric Harland(Ds)、Jason Moran(P)
演奏曲は、すべてCharles Lloydのオリジナルです。
1. Dream Weaver
2. Part 5, Ruminations
3. Nu Blues
4. How Can I Tell You
5. Tagore On The Delta
6. Passin' Thru
7. Shiva Prayer
冒頭、ドラムとピアノのイントロからサックスが絡む場面こそドロりとした雰囲気を醸すが、7分もするとピアノが同じフレーズを繰り返し本編になだれ込む。
この展開がじわりと格好良い。
反復のリズムに乗って、サックス、ピアノとソロをとるうちに徐々に高揚感が湧いてくるのはゴスペル的な手法ということか。
18分に迫ろうという大作の1曲め。
2曲めもフリーフォームな演奏から4ビートへと展開していく流れで、それがある種の高揚感を想起させる。
以降、3曲めは終始4ビート、4曲めがバラード、5曲めは8ビートをフルートで、6曲めがラテン調の演奏と、ライブらしくバリエーションのある選曲で楽しませる。
と、全体を聴いていて、サックスソロでは気を使いながら、ピアノトリオでは容赦なくと、いずれにしてもしっかりと演奏を煽っている感じが伝わってきてまして、Reuben RogersとEric Harlandのリズムの強力な下支えの功績は大きいと感じられる。
このリズムに、Jason Moranのピアノが入ったピアノトリオでも充分面白い演奏を期待できそうな(凄い演奏だった)ところではあるが、Charles Lloydが年齢を感じさせないくらいの演奏をしていて、それがまた凄いところ。
テーマはほとんど吹ききり、ソロもしっかりと決めているところを圧巻と言わざるを得ない。
ベストは3曲めでしょう
Charles Lloyd "Passin' Thru" (https://www.amazon.co.jp/dp/B072BBMVPL/)
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