"Another Place" Bunky Green

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1935年生まれのBunky Greenが2006年にリリースしたアルバムで、しばらく教鞭に立つことに専念していたようで、20年ぶりくらいにリリースしたリーダー作。
Steve Colemanがプロデュースをしていることが特筆事項になりますが、Steve ColemanがBunky Greenの大ファンだったようです。
過去にRudresh Mahanthappa買いした下記アルバムで聴いていますが、Bunky Greenについてはまったく言及していませんw
 "Apex"http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60881930.html

メンツは、ワンホーンカルテットでピアノトリオが現在に続く名手を起用したもの。
Lonnie Plaxicoは最近の活動は全然聞こえてこないですねぇ。
Bunky Green(As)、Jason Moran(P)、Lonnie Plaxico(B)、Nasheet Waits(Ds)

演奏曲は、Bunky Greenのオリジナル4曲を、スタンダードとMal Waldronで挟んだ選曲。
1. IT COULD HAPPEN TO YOU
2. WITH ALL MY LOVE
3. ANOTHER PLACE
4. TUNE X
5. BE
6. SOUL EYES

ピアノトリオがキレの良い4ビートを奏でるなかBunky Greenのアルトが軽やかにブローを決めていく1曲めの It Could Happen To You。
この1曲めでこの盤の真骨頂を聴いたと感じさせる素晴らしい演奏。

曲のテンポ自体は、あまり早いものを選ばず、ミディアムからミディアムスローテンポくらいの曲が多いが、Bunky Greenの奏でる即興は、早いフレーズを多用し、そこから荒れた音色を織り交ぜとかなり攻めた印象のもの。
さすがに、ときによれる感じが垣間見れるところもあるが、がががっと吹きまくるさまはまったく年齢を感じさせない。

そして、下支えそるピアノトリオがまたいいメンツが揃っているところが素晴らしい。
Lonnie Plaxico、NasheetT Waitsのリズムがドライブするリズムを奏でて演奏を煽る。
凝ったフレーズを交えながら、Bunky Greenのソロを鼓舞するバッキングから、続けて、雰囲気を崩さないようにしながら元曲を生かした演奏で、それでいて耳を惹きつける格好良い即興を決める。
るJason Moranのピアノ。

Bunky Greenの荒れた音色に呼応してか、たまにフリー濃度の濃い演奏に、あえて息をズラした演奏が破綻寸前まで行きそうな場面も垣間見れるが、それがまたスリリングな雰囲気を醸し出してて格好良い。

最後が10分超のバラードで、Lonnie Plaxicoの長めのアルコ弾きソロを交えた演奏で締めくくる。

ベストは、1曲めでしょう。


"Another Place" Bunky Green(https://www.amazon.co.jp/dp/B000EMSPYW/)

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