"Vada Taudia" Aaron Choulai

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Aaron Choulaiの約10年ぶりのジャズ作品。
Aaron Choulai言うところのメルボルンスタイルという独特な作曲方法で作られた作品とのこと。

そもそもAaron Choulaiを知ったのは吉本章紘の下記リーダー作を聴いて、そのピアノスタイルに妙に惹かれたところで名前を覚えたのが馴れ初め。
 "Moving Color" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63339524.html)
しかし、今見ると凄いメンツのバンドだなぁとあらためて感じるところ。ベースの須川が最近メキメキと人気を上げてきているのが特筆事項でしょう。

その後、このアルバムのメンツに非常に近い石若駿のリーダーバンドを観に行っていて
 石若駿Quartet(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63372052.html)
そのときのバンドメンバーが、ピアノがAaron Choulaiではなく高橋佑成でして、ここで高橋佑成を知ったというふうに繋がっていくわけで、こういうのが面白い。

メンバーは現行の日本のジャズシーンでも注目のプレイヤーにオーストラリア出身の20代ミュージシャンを加えた2管クインテット。
Aaron Choulai(P)、James Macaulay(Tb)、Marty Holoubek(B)、Yoshimoto Akihiro(Ts)、Ishiwaka Shun(Ds)

演奏曲は、8曲めが有名曲で、他はAaron Choulaiのオリジナル。
01. ATO 23.5
02. KOREMA
03. IS
04. ORE NO MONO WA ORE NO MONO, OMAE NO MONO MO ORE NO MONO
05. VADA TAUDIA
06. PIG AND FISH
07. ABRACADABRA, HOLES IN YOUR FISHING BOAT
08. TENNESSE WALTZ

冒頭、Ornette Coleman調のテーマを持った曲で、これでクセのあるアルバムだなと予感させる。
全体的にちょっとダークな気配を感じる曲調が多めで、2管でのテーマからヘヴィな印象を受けるが、ソロになると徐々にテンションがあがってきて、各ミュージシャンの良いところが聴けているという認識。

吉本のサックスが前掲リーダー作の時よりも表現の幅が広がったような印象で格好良いフレーズをたくさん聴けて満足度が高い。

Aaron Choulaiは、派手な立ち回りをするって感じではないし、ソロで前面にでる頻度が高いわけでもないのだが、妙に惹かれる演奏をして耳を持ってかれるのは初めて聞いた時と同じ印象。
演奏するフレーズの幅と奏法の幅が広く、変幻自在というかなんとも独特な演奏を聴かせる。
音色もきれいなんでしょう。

ドラムが石若駿なんで、ビートが複雑なものが多く一筋縄ではいかない雰囲気に拍車をかける。
ここでの石若もとんでもない演奏をしています。

最後のTENNESSE WALTZ はAaron Choulaiの朴訥としたソロで聴かせる。これがまたちょっといい雰囲気で素晴らしい。

ベストは6曲めでしょう。

"Vada Taudia" Aaron Choulai(https://www.amazon.co.jp/dp/B073XKDNKF/)

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