"Signs Live!" Peter Bernstein

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Peter Bernsteinのリーダー作は、最近では出たら買いしていますが、オーソドクスで安心して聴いていられるスタイルでありながら、惹きつけられる魅力を感じさせる演奏に個人的にはヤられている感じでしょう。

前作は、Gerald Clayton、Doug Weiss、Bill Stewartという中堅どころを揃えたカルテットでのアルバムで、約1年前のリリースだった下記。
 "Let Loose"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63845911.html)

邪推すると、前作の紹介文で自分もアコピが相性が良いと書いている通り、Peter Bernstein自身もアコピでのカルテットでの演奏が合っていると感じて、本作では同じ編成でありながらメンツを豪華な面々に替えてきたと勘ぐるのだが..。
しかし、Brad Mehldau、Christian McBride、Gregory Hutchinsonってのは贅沢な編成とつくづく感じる。
Peter Bernstein(G)、 Brad Mehldau(P)、Christian McBride(B)、Gregory Hutchinson(Ds)


演奏曲は、オリジナルが大半で、3曲Thelonious Monkの曲を入れた全部で11曲。

Disc 1
1. Blues for Bulgaria
2. Hidden Pockets
3. Dragonfly
4. Jive Coffee
5. Pannonica

Disc 2
1. Useless Metaphor
2. Let Loose
3. All Too Real
4. Resplendor
5. Crepuscule with Nellie / We See
6. Cupcake


メンツを見て短絡的に、ギター、ドラムの保守 対 ピアノ、ベースの革新の争いを想起したが豈図らんや、オーソドックスな演奏に程よく現代的なテイストを織り交ぜたバランス良くとても気持ちの良い演奏に仕上がっている。

リーダーのPeter Bernsteinが保守系なので、演奏の根本がオーソドクスになるのは当然で、曲は4ビートを中心に8ビートを織り交ぜたような感じで変則的な拍子も多少紛れているか。

ドラムがきっちりとしたビートを叩きだすのは実にGregory Hutchinsonらしい、Peter BernsteinがPeter Bernsteinらしさの真骨頂と言えそうな王道フレーズで攻め続けるかと思いきや、Brad Mehldauの演奏に感化されてか、少し前のめりなフレーズを交えたギタースタイル。

逆に、Brad Mehldauがオーソドックスな展開を織り込んだ演奏で一聴Brad Mehldauぽくないなぁと感じさせる場面すら散見されるバッキング。
それでもピアノがソロをとる場面では、ドラムにリズムを任せベースの強力なビートに乗って奔放な即興を繰り広げる。
さすがに全体の雰囲気を壊すまでは行かないが革新の底力を見せつける。

メンツが凄いからというのもあるが、相性が良いアコピカルテットで素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれる。
これが、これまでのPeter Bernsteinのベスト作と言っても良いんじゃないか?

ベストはdisk2の3曲めでしょう。

"Signs Live!" Peter Bernstein (https://www.amazon.co.jp/dp/B072M57S55/)

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