"Open Book" Fred Hersch

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ここのところ、Fred Herschも出たら買う状態に突入していますが、いずれの作品もクオリティの高い素晴らしい演奏を楽しませてもらっていまして、それどころか近年調子がまだまだ上がっているようにすら感じられるくらい。

これまでの紹介の全貌が以下の通りです。
ここ数年は毎年リリースで、ソロとトリオを交互に出しているような感じか。
 "live at the Village Vanguard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a42519413.html)
 "Alive at the Vanguard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61559678.html)
 "Alone at the Vanguard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61865504.html)
 "Free Flying"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62298826.html)
 "Floating"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62756816.html)
 "solo"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63454596.html)
 "Sunday Night at the Vanguard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63875820.html)

本作はソロ作で、2016年に韓国でライブ録音された4曲目"Through The Forest"が発端で、この曲を中心として、後日残りの6曲を(どうやら同じホールで)録音したもの。
Fred Hersch(P)

演奏曲は以下の通り。Benny Golson、A. C. Jobim、Thelonious Monk、Billy Joelにオリジナルを加えたもの。
Through The Forestは、19分超の大作。
01 The Orb
02 Whisper Not
03 Zingaro
04 Through The Forest
05 Plainsong
06 Eronel
07 And So It Goes


Fred Herschのもの凄く綺麗でありながら、粒立ちの良い、はっきりとしたサウンドを少しのホールトーンを伴った録音で収録したピアノの音色だけで惹きつけられるものがある。

その綺麗な音色から紡ぎ出されるフレーズは、美麗なもの、スピリチュアルなもの、ドロドロとした低音基調、ガツンとくる打音、さらりと流れるような旋律、キラキラした高音の羅列、優しく撫でるような音の流れ…。
ときに旋律を慈しむように、ときに荒削りな気配を見せと、縦横無尽、変幻自在、硬軟強弱織り交ぜて、と言いたくなるような表現の幅の広い演奏で彩る。
それでいて演奏の雰囲気は一貫している。

ソロピアノで、曲調を大きく変化させずにこれだけ飽きさせず聴かせる人はあまりいないんじゃないかと思わせる見事な表現力を見せつけた作品。

印象としては、前作より挑戦的だったりアグレッシブだったりするアプローチが増えたように感られ、それが上がり調子であることを想起させる。

ベストは、6曲めでしょう。

"Open Book" Fred Hersch (https://www.amazon.co.jp/dp/B071RPD3V1/)

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