"LIVE IN MONTREAL" Hiromi Uehara, Edmar Castanneda
実は、彼女のことを絶賛しているわけではないのですが、結果的にデビュー作から全部買って聴いていることになります。
当初、気に入っていた山中千尋は途中で買うのをやめてますし、他にも1枚買ってその後が続かない人も、そもそも1枚も買ってない人もいるわけですから、そういう意味では、なんらかしら気になる存在であり続けていたというのは間違いのないところでしょう。
もっとも、最近はだいぶ好感触な印象になってきてまして、演奏を楽しみにしている部分があるのも事実ではありますが..
本作は、これまでのトリオでの演奏ではなく、ハープ奏者のEdmar Castannedaとのデュオ作。
Edmar Castannedaは、コロンビア出身で、現在はニューヨーク在住の南米のハープ"アルパ"奏者で、世代的には上原とほぼ同じよう。
残念ながら、開催中止になった"Blue Note JAZZ FESTIVAL"で、生の演奏を聴く機会があったようですが..。
Hiromi Uehara(P)、Edmar Castanneda(Harp)
演奏曲は、上原のオリジナルがMoonlight SunshineとThe Elementsの組曲4曲分、Edmar Castannedaのオリジナルが2曲
に、John Williams、Astor Piazzollaで全部で9曲。
1. A Harp In New York
2. For Jaco
3. Moonlight Sunshine
4. Cantina Band
5. The Elements: Air
6. The Elements: Earth
7. The Elements: Water
8. The Elements: Fire
9. Libertango
ハープって事で予想していたサウンドはいわゆるクラシックを聴いててたまに出てくるあのハープの音であったわけだが、本作で出てきたハープの音は特有の響きの重なりもほぼなく、ゆったりたゆたうようななんて雰囲気を微塵も感じさせず。
一般的に弦楽器と呼ばれる楽器のようなサウンド(なんというか、固有の楽器を想起しないというか)で、キレの良い早いフレーズなんかもある、想像してなかったサウンドにちょっと面喰らうほど。
クラシックのガッドギターのように、フォークギターのように、ジプシーギターのように、ピアノの弦をはじくように、琴のように、あるいはなんとも形容できないような、というサウンドが鳴り響く。
きっと、これらの楽器では再現できないテクニックも含まれるんでしょうがそこまではよく解らない。
そして、実際の演奏は、上原の早いフレーズに負けない早いフレーズをも披露しつつ、最近の上原で聴かれるエモーショナルなサウンドにもしっかり追従し、テクニック面でも表現力の面でも引けを取らない演奏で、上原と良いコンビネーションを繰り広げる。
もしかしたらエモーショナルな表現はEdmar Castannedaからの影響が大きいのかも。
しっかりとキレの良いサウンドの演奏は、予想以上に密度の濃い演奏で、満足度が高い。
ライブらしく、余興的な演奏をも織り込んで、両者ともなんとも楽しそうに演奏しているさまが、ありありと感じられるようなサウンドで、聴いてるこちらもうきうきしてくるような感じ。
ベストは、4曲めにします。
"LIVE IN MONTREAL" Hiromi Uehara, Edmar Castanneda(https://www.amazon.co.jp/dp/B074TY8RK4/)
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