"捨てられた雲のかたちの" 伊藤ゴロー

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伊藤ゴローの名前は、naomi & goroってバンドの存在で知ったんですが、このユニットの作品は未聴。
唯一、菊地成孔絡みで、"naomi & goro / 菊地成孔"名義の作品を聴いている。
 "calendula"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60815808.html)
最近では、原田知世のカヴァーアルバム
 "恋愛小説"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00S1MK72U/)
 "恋愛小説2"(https://www.amazon.co.jp/dp/B01D444B9O/)
 "音楽と私"(https://www.amazon.co.jp/dp/B071F35C5N/)
Stan Getsの名盤トリビュート作
 "Getz/Gilberto+50"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00CCVWLQ6/)
なんて作品で名前を見ているのですが、これらも気になっていながらすべて未聴。
本作は、新譜漁ってたら引っかかったんですが、ブラジル系ミュージシャンと共演していることと、すべてインストであることから興味が湧いて購入を決めた次第であります。

本作のメンツは2組に分かれていて、リオデジャネイロで録音した分と東京で録音した分で異なり、以下の通り。
ギター、ピアノとストリングスってのが基本構成と言って良いでしょう。

[RIO Session:01,02,04,06,08]
Goro Ito(G)、Jaques Morelenbaum(Cello)、Marcos Nimrichter(P)、Guto Wirtti(B)、Renato Massa(Ds)

[TOKYO Session:03,05,07]
Goro Ito(G)、Eiichi Sawado(P)
Aya Ito(Violin)、Rina Odera(Violin)、Shoko Miki(Viola)、Tomoki Iwanaga(Viola)


収録曲は即興を含むオリジナルが7曲と、Luigi Rossiの"MIO BEN"という曲構成。
01. Valse
02. Land - Automobile
03. In the Shape of an Abandoned Cloud ~ 捨てられた雲のかたちの
04. Land - in the Beginning
05. Land's End
06. Mio Ben
07. Fly me to the AOMORI ~ 青い森へ連れてって
08. Land - Finale

ピアノ、ギター、ストリングスが織りなす無国籍サウンドと言った感が第一印象。
リズムとかビートと言った語で表現するべき明確なものも希薄で、特にブラジルを感じさせる音作りを感じることもない。

特にブラジルセッションのうちの"Land - "で始まる3曲(2,4,8)は、完全即興の一部を切り取ったものなんだそうで、曲としての完成度ははっきりいって低いんですが、その手探り感というか、未完成感がなんとも不思議な雰囲気を醸してて、そういう意味での面白さってのは、そこここで感じられる。

2曲めの最後に、笑い声のようなかけ声のような声が入って、そこから盛り上がるのか?と思ったら静かにエンディングを迎える展開とか、意表を突いてますw

完全即興ではない他の曲でも、きっち作り込まれた感ってのは希薄で、良い意味で適度な緩さの中で、たゆたうようなサウンドに包まれるような感じが心地良い。

リーダーの伊藤ゴローはギタリストであるが、全体にギターが前面に出ている場面ってのはあまりなく、個人的な耳には、どちらかというと、ストリングスが前面に出ているくらいの印象を受ける。
そういう意味では演奏家というよりも、音楽家と言った意識の方が強いんだろうなと感じさせる。

ベストは、7曲めにしましょう。

"捨てられた雲のかたちの" 伊藤ゴロー(https://www.amazon.co.jp/dp/B074NFXLGY/)

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