吉本章紘, 須川崇志 "Oxymoron"

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本作はネット上で、リリースするという情報を知ったが、店頭販売はせずライブ会場等で本人から購入するのが前提ということでしたが、タイミングをつかめずなかなかこの2人(のいずれか)の演奏をライブでみる機会ってのが持てなくて、たまにライブ情報を漁っては唸っていたんですが、
たまたま11/3に練馬区は石神井公園での小さなジャズ祭に出演する情報を見つけまして、電車バスを乗り継いで会場に赴き、ビール片手にライブを堪能しつつCDも入手してきた次第であります。
 須川崇志, 吉本章紘 デュオ(20171103) (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64318290.html)

そのジャズ祭ですが、地元在住の人を中心にしたもので、11時から30分ずつ10組の練馬在住のミュージシャンが登場して演奏する無料の屋外コンサート。
ついでに、動態保存されている五味康祐のオーディオも見学してきたんですが、これは別の話。
 https://www.neribun.or.jp/study/file/201703271490546930_01.pdf

吉本は、石若買いした下記アルバムで知った名前ですが、このアルバムの完成度の高さも相まって、参加している面々がその後気になる面々になっています。(メンツ詳細はリンクから)
 "Moving Color" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63339524.html)
須川も、上記アルバムに参加しているのは言うに及ばず、本田珠也のファーストコールベーシストで石若バンドでの登場頻度が高いと、業界的にもここのところ引っ張りだこの逸材。
この2人がデュオ作を出したと聞いては見過ごすわけにはいきません。

1曲だけゲストが入ります。先日のラジオの紹介(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64325364.html)で出てきたトランぺッターのNiran Dasikaです。
須川 崇志(Cello, B), 吉本章紘(Ss,Cl)
Niran Dasika(Tp:10)

演奏曲は以下の通り。クレジットはいずれも2人の共作なんで、即興という解釈で合ってると思います。
1.Walk Around
2.Water Ripples
3.Password
4.Mokume #1
5.Bass
6.Room
7.Suidokan
8.Mokume #2
9.Wheel
10.Mokume #3
11.Enpitsu Hiko

このアルバムを入手した屋外でのライブ(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64318290.html)では、有名曲を題材にして、聴衆の耳を惹きつけつつ、2人のサウンドを聴かせるようなスタイルで、それでも会場(周囲)の空気感が変わるような演奏を堪能させてもらったが..。
本作では、主旋律の求心力という部分を除外して音色の良さ、即興の魅力だけで勝負しているってことなんでしょう。

吉本はアルトサックス、須川はコントラバスのアルコ弾きを披露している場面が多いか。
個人的には、吉本のクラリネット、須川のチェロのアルコが妙に惹かれる。

広大な空間を相手に、両者が、時に協調、時に反撥しながら、多からず少なからずの程よい濃さで音を散りばめていく。
なによりもこの2人の音の美しさが際立っていて、極端なことを言うと、多々単音を延々弾き(吹き)続けているだけでも聴き惚れるんじゃないかと思うくらい。
擦過音、歪音とか、一般に耳障りに響く音も多少なりとも出てくるが、それらの音すらも美しく響く。


ベストは、4曲め

吉本章紘, 須川崇志 "Oxymoron" (http://yoshijazz.exblog.jp/28018306/)

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