Terje Gewelt "Wow And Flutter"

イメージ 1

Terje Geweltの2017年の新作です。
Terje GeweltはChristian JacobとのDUO作で一気にハマって、その後Dag Arnesenのトリオ作を買ったところでひと息ついて、その後は、見つけたら一応確認して買うか買わないか決めているような感じ。

ということで、デュオ作が3つ
 "InterPlay" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a51950617.html)
 "Duality" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a45577178.html)
 "Hope" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a45827890.html)
他の紹介はトリオが3作
 "OSLO" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56747688.html)
 "If Time Stood Still" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a51581883.html)
 "Steppingstone" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63501733.html)
カルテットが1作
 "Spindrift" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62662976.html)
という紹介履歴になります。

本作は、新譜情報を見つけて、ちょっと試聴して良さそうだったので買おうと思ったらダウンロードだけで、CDでのリリースがなかなかないような状況で、ようやく入手できたもの。

本作はギター入りのオーソドクスなカルテット編成。前作がギタートリオだったのでギターとの演奏を積極的に行っているということでしょう。
Terje Evensen(Ds)、Bjorn Klakegg(G)、Erlend Slettevoll(P)、Terje Gewelt(B)

演奏曲は、Terje Geweltのオリジナルが8曲、2曲がTerje Evensen、Bjorn Klakegg、Terje Geweltの共作

1. Time Travels
2. Ups And Downs
3. Leaving Town
4. Iskanten
5. Crosstalk
6. Seafarer
7. Wow And Flutter
8. Melancholy Blue
9. Raw Air
10. Gone Sailing


1曲めは、サーフィンミュージックを彷彿とさせるサウンドで、速いリズムに速いフレーズをきっちり合わせてくる演奏は清々しいものではあるがちょっと軽い印象もあるか。
そういう意味ではフュージョン臭が強い感じが、個人的に、Terje Geweltに求めるサウンドとは異なっている演奏ではある。
2曲めが8ビートの牧歌的な曲、3曲めが16ビートのノリの良い曲と、この辺も個人の嗜好する演奏からは逸脱していて、期待とは違うなぁとも感じつつ、その格好良い演奏に惹かれている。

音数をぐっと減らしたピアノトリオで演奏される4曲め。
前半の訥々とした美音のピアノと、後半のよく歌うベースが印象的。
5曲めがTeenTownでのJacoのリフを彷彿とさせる演奏で、これはやっぱりという感じに燃えてしまいます。
其処此処で登場するちょっと暴力的な演奏をするギターが、前述の個人的なTerje Geweltの印象から逸脱している大きな理由になっているような気がしているが、なかなか良い味を出していて面白いのは事実です。

なんだかんだ、Terje Geweltのきっちり刻んでくるリズムの正確さだったり音数の多少に関わらず創造性豊かな即興演奏だったりと、いずれも見事な演奏を聴かせて聴きどころを明確にする。
強いて言えば、ドラムが単調なリズムについて行けなかったり、格好良いノリを継続できずにもたつく場面があったりと、ちょっと弱いかなぁと思う場面が多いのがたまにきず。
それと、いろんなところにノイズのような音が紛れていて、7曲めがその集大成のような雰囲気だが、これはいらなかったんじゃないかと思う。
後半は、アバンギャルドな9曲め、ホッとするポップな曲で終演。

ベストは、ベースを聴くという意味で5曲めにしましょう。

Terje Gewelt "Wow And Flutter"(https://www.amazon.co.jp/dp/B074BQ2BPF/)

この記事へのコメント