"ICTUS" Ictus Trio

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昨年活躍が目覚ましかった日本人ドラマーの1人、本田珠也の新作です。
近作だけで以下のような感じ。
 Tamaxille "Live at Pit Inn"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64332094.html)
 本田珠也 "Second Country" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64270321.html)
 中島さち子 "希望の花" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64094022.html)
 ZEK Trio "ZEK!" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63976804.html)
他に道場(https://www.amazon.co.jp/dp/B06WVH639L/)、ケイ赤城盤の録音もしていたような..。(http://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007304320)

この3人のトリオは、その昨年早々にライブを見ていて、同年5月にアルバムを録音、
年末のリリースライブを見に行っています。
 "本田珠也3 (20170128)" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64010940.html)
 "ICTUS Trio (20171230)" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64371413.html)

自分は、リリースライブで先行入手しましたが、一般には通販で1/3から、店頭で1/17からのデリバリ
となっています。
わざわざ、通販に限っても1/3リリースにこだわったのは、その日がPaul Bleyの命日だからでしょう。
(珠也さんは、ライブのMCであまり理解を示していないような発言をしていましたが..w)
本作は、演奏曲を見れば自明の通りCarla Bleyの曲を演奏するのが主軸なのであります。

かくいうメンツは、個人的には「えっ?」と思うくらい豪華な面々。
本田珠也(Ds)、佐藤浩一(P)、須川崇志(B)

演奏曲は、佐藤のオリジナルが2曲、Carla Bleyが6曲、スタンダードが2曲で全部で10曲。
1. And Now The Queen
2. Vashkar
3. Batterie
4. It Never Entered My Mind
5. Kamiya
6. Heaven
7. Sad Song
8. Violin
9. Ictus
10. I Should Care

バンド名もCarla Bleyの曲からとった、Carla Bleyが作曲した作品を演奏することを主体としたプロジェクト。
テーマこそ元曲にほぼ忠実に奏でられるが、ソロになると佐藤のピアニズムを極限にまで引き上げ、3者の音の重なり合いが、メラメラと青い炎を揺らすように燃え、ヒリヒリするような緊張感を醸し出す。
テーマに戻ると、ホッとするほど。
奔放でありながら、とても繊細に奏でられる本田珠也のドラムが全体を解き放つように鳴り響く。
ライブを見ている稀有な存在としては、ライブのほうがメンバーオリジナルの比率が増加していてその分と言って良いと思うが、よりフリーフォームな演奏が含まれる度合いが多く、抽象的な表現が多い演奏だったと感じています。
ただその分、この3人の主張は存分に表出していたとも言えるわけで、このアルバムで聴ける表現では言い尽くせない多彩な演奏がライブでは楽しめるとも言えそうだが、ただその代わりそれだけ難易度も高くなっていた印象もありますが…。

Carla Bley作曲以外の他の曲も、Carla Bleyの曲の派生と言って良いような、一貫した作風に仕上げているのは、アルバムの美意識をより高めている。
ベストは、2曲めにしましょう。

"ICTUS" Ictus Trio (https://www.amazon.co.jp/dp/B077WXTYS6/)

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