井上銘、永武幹子 (20180202)

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永武さんのライブは見れるときはできるだけ見たいと思っていて、昨年だけで5回見ています。
と、過去の記録を眺めると、レギュラートリオ2回、いろんな人とのデュオ3回とけっこう偏ってますw

井上君はCDは2012年の初リーダー作から聴いているが、
 "First Train"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61200599.html)
ライブは、昨年の竹村、織原とのトリオが初だったらしい。
 "竹村、井上、織原(20170609)(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64161766.html)

この20代の両名の共演はこれが初とのことで、No Trunksの店主のによるブッキングでのライブ。


楽器配置は、デュオのときのいつものセッティングを踏襲し、ピアノを左側に持っていったもの。
今回、井上は着座での演奏を想定してか、椅子をおいてその前に機材を揃える。

定刻を少し過ぎたところで、演奏開始。聴衆は15人前後だったと思う。

今回の演奏曲は、オリジナルはなくて、スタンダード、ジャズメンオリジナルを揃えていたはず。
たしか、Charlie Haden、井上俊彦、Benny Golson、Steve Swallow、富樫雅彦とかを演っていたと記憶。

1stセットは、永武さんもおとなしめのタッチで、ギターの様子をうかがいながらといった感じには聴こえたが、ソロとソロとの対峙のようなスタイルで、それぞれが相手の様子を見ながら、それでも各人のアイデンティティに則った演奏をそれぞれに奏でていたような感じ。
ただ、これがちぐはぐにならず格好良いからたまったもんじゃぁない。

しっかりした曲が前提にあるが故にできるんだとは思うが、低音部とリズムは、井上君が担う場面がお多かったように感じられたが、終始破綻のない演奏を繰り広げるが、エンディングのおさめ方で微妙にズレが生じるところがご愛敬。
こういうのは、でも端から見ていると、ちょっとユーモラスでありながらスリリングで楽しい。

1st最後の曲で、永武さんがちょっとタッチを強めた演奏を繰り出してきたことで、後半の展開が俄然楽しみになる。

2ndセットも定刻を少し過ぎたあたりから。
こっからは、予想通り永武さんのタッチも従来に近いくらいの強さを多用してきて、こっからが本領でしょうと言った感じ。
フレーズ的にも、不協な音使いでフリーな雰囲気を入れてみたり、低音から高音まで使い切った幅広いアプローチを繰り出し、これだから永武さんの演奏は楽しい!!と、あらためて思わせる。

井上君も、さすがの実力者。淀みないフレーズを立て続けに繰り出し続け、演奏をよく聴いていると、まぁいろんな奏法を織り込んでいて、スゲェスゲェと聴き入っていました。
足元に(おそらくいつも通りの)エフェクター類を並べていたが、それまではボリュームもほとんど動かさないくらいに使わなかったのが、後半途中では、永武さんの演奏に触発されてか、頻度は高くはなかったが、音色を極端に変えたりと、こちらも自身の個性をより出した演奏で応戦してくる。

最後の曲とアンコールと1フレーズごとの即興の交歓が延々と続くところとか、お互いのやり口が徐々に見えて来ていたんじゃないかと思う。

1stセット1時間前後、2ndセットもまるまる1時間にアンコールにも応えてくれて、たぶん両セットとも5曲ずつの演奏だったと思うが、演ってる側も時間を気にするより初顔合わせの演奏を楽しむ比重が高かったんじゃないかと勘ぐってます。
曲的にはあまり冒険的なものにしないで、二人の演奏スタイルの探り合いみたいな様相もあったと思うが、それにしては充実した演奏で、そんなたっぷりの演奏をたっぷりと楽しませてもらいました。

すでに、次回も決まっていまして、5月だそうです。
演奏曲のバリエーションを増やして、各々の個性がより強まった丁々発止のおもしろい演奏を聴かせてくれるんじゃないかと期待しております。

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