Ralph Towner "Open Letter"

イメージ 1

Ralph Townerも個人的には縁の薄い人で、ECMレーベル自体を積極的にいろいろ聴いていないからというのもあるが、Ralph Townerもオリジナルも名前だけは知っているoregonとかも、ちょろっとは聴かせてもらっているはずだが琴線には触れなかったようで、いろんなアルバムを聴いてみようと思った記憶はなし。

自blogを漁ると、Paolo Fresuとのデュオ作だけが出てきた。
 "Chiaroscuro"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59124497.html)

本作は、1992年の作品で、これもなんらかのきっかけがあっての聴取ではなく、
先日図書館の棚を眺めていて目について、聴いてみるかと手に取ったものであります。

メンツは、ほぼソロで、数曲でPeter Erskineのドラムが入ってくる。
Ralph Towner(G,Synth)、Peter Erskine(Ds)

8曲のオリジナル、1曲のPeter Erskineとの共作、有名曲2曲という構成。
1. The Sigh
2. Wistful Thinking
3. Adrift
4. Infection
5. Alar
6. Short 'N Stout
7. Waltz For Debby
8. I Fall In Love Too Easily
9. Magic Pouch
10. Magnolia Island
11. Nightfall

シンセサイザーによる持続音を漂うように静かに鳴らす上に、訥々と美旋律を乗せていく不思議な雰囲気を漂わせる1曲め。
3曲めのパルシブなサウンドを散りばめたうえでの流麗なフレーズ、テンポ感は、ちょっと意表をつく展開(先入観がうえに..)

このアルバムについては、数曲で出てくるシンセサイザーによる持続音、パルス音等による効果音が効いている部分が多々あるが、聴き進めていくと6曲めを露払いとした、有名曲2曲が強烈な美意識に裏打ちされた演奏で、ここで一気に空気が変わるというか、見事な演奏にひれ伏すしかなくなる。
後半は、またシンセの入った演奏に戻りまして、10曲目のちょっとポップな演奏でまた雰囲気が変わってこちらも素晴らしい演奏を楽しめる。

シリアスでダークなギタースタイル、淀みを感じない響きの美しさ、リリシズムの極みとでも言いたくなるようなギターサウンド。
Ralph Townerならではの美意識に裏打ちされたと、今さら自分が言わなくても良いんですが、好きな人には強烈にはまるサウンドなんだろうなと思った次第であります。
個人的には、たまに聴くのが気持ち良い塩梅でありましょうか。

なんだかんだ、この盤のベストは7曲目に尽きるんでしょう。

Ralph Towner "Open Letter"(https://www.amazon.co.jp/dp/B0000263S8/)

この記事へのコメント