Gatos Meeting "The Book Of Gatos"

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林栄一の結成した4管の中規模バンドのライブ盤です。
アルバムは、2013年にスタジオ録音作をリリースしています。
 "ガトスミーティング"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61708035.html)
このあとも、(どうやらメンバーの変動はあったようだが)継続的に活動を続けていて本作録音の場所である西荻窪のアケタの店でのライブ告知は見ているのですが、実は生では見れていません(反省)

このアルバムは、2017年4,5,8月にアケタの店でのライブを録音したもの。(とはいえ、現在作り直しているようですが..)

メンツは、上記初作では2ベース、2ドラムという過激な構成(しかもオンセントリオと、渋さ知らズのリズム隊の混成)でしたが、ここでは双方から1人ずつが残った状態になっているのが面白いところ。
林栄一(As)、吉田隆一(Bs)、山田丈造(Tp)、後藤篤(Tb)、石渡明廣(G)、岩見継吾(B)、磯部潤(Ds)

演奏曲は、林のオリジナルに、Charles Mingusを交えたもの。

Disk1
North East
睡眠と目覚めの間で~Yellow Jack
回想
夜の波止場

Disk2
Better Get Hit in Yo' Soul
OM
夜と友達
ナーダム


曲としては、林さんのオリジナルを中心にしたもので林さんが好みそうな曲調が多め。
それが中央線色を濃く感じる要因にはなっているんでしょう。

テーマでの4管のアンサンブルと、それに絡むギターリフの秀逸さというのがまず素晴らしい。
テーマ以外は、正直言ってどの曲もあまり変わりなく、圧倒的、怒涛の大即興大会に突入するわけで、いずれもハードブローに、暴れまわるようなフレーズの応酬。
しかも、ライブなのでその時間が長い。
これでもかというくらいにメンバーのソロをたっぷりとぶちかまされ、こんなに楽しい事はないってくらい。

後藤のtbとしては驚異的にキレの良いサウンドによる力感たっぷりの演奏。
吉田のバリサクのブリブリバリバリ言う迫力ある咆哮。
これまで聴いた中でも、とりたてて勢いのあるフレーズを聴かせる、岩見のベース。
石渡の独特な音色で繰り広げられる絶妙に外れた不思議な魅力に満ちたギター。
淀みないフレーズで軽快によく歌う山田のトランペット。
そして、林の固有のトーンを多用した独特のアルト


メンバー全員が好き勝手やってもそれを受容できる磯部の強力なビートに裏打ちされて繰り広げられる怒涛の演奏を存分に堪能させてもらいました。

ベストは、Disk2-2にしましょう。

Gatos Meeting "The Book Of Gatos"(http://jazztokyo.org/reviews/cd-dvd-review/post-23435/)

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