Keith Jarrett "After The Fall"

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keith jarrettのこの3人でのトリオでの演奏は結成からすでに30年経過しているわけですが、アルバムも正規盤だけで20枚超のリリースがあります。
再掲になりますが良い資料なので、2013年に調べた情報をここに掲載しておきます。

Standards, Vol. 1 (1983, 1983)
Standards, Vol. 2 (1983, 1984)
Changes (1983, 1985)
Standards Live (1985, 1986, Live)
Still Live (1986, 1988)
Changeless (1987, 1989)
Tribute (1989, 1990, Live)
The Cure (1990, 1991, Live)
Bye Bye Blackbird (1991, 1993)
At the Blue Note (1994, 1995, Live)
Standards in Norway (1989, 1995, Live)
Tokyo '96 (1996, 1998, Live)
After The Fall (1998, 2018, Live)
Whisper Not Live in Paris 1999 (1999, 2000, Live)
Inside Out (2000, 2001, Live)
Always Let Me Go (2001, 2002, Live)
Up for It (2002, 2003, Live)
The Out-of-Towners (2001, 2004, Live)
My Foolish Heart (2001, 2007, Live)
Yesterdays (2001, 2009, Live)
Somewhere (2009, 2013, Live)
※()内の年数は録音年、リリース年の順(録音年とリリース年がちゃんとしている資料は実は少ない)
 もし間違いがあったら、指摘していただけると嬉しいです。

最近のこのトリオの新作は、直近の新しい演奏(録音)をリリースするというよりは、ちょっと前の演奏をリリースすることが常套化しており、ECMレーベルのドル箱的存在の在庫を小出ししてレーベル運営費を稼いでいるような印象を持ってます。(当たってると思いますが、悪いとも思っていない)
この直前のリリースが、2013年に2009年の録音をリリースしたものでありました。
 "Somewhere"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62054733.html)
もうちょっと頻度高くリリースしているかと思ったら、実際にはそうでもありませんでした。
もっとも、ほぼ年1枚のペースでいろいろな音源がリリースされている野も事実でありますが...。
 Charlie Hadenとの "Last Dance" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62723115.html)
 1972年の演奏 "Hamburg '72" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63034788.html)
 ソロ作 "Creation" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63213310.html)
 ソロ4枚組 "A Multitude of Angels" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64053255.html)


本作は1996年に発症した慢性疲労症候群から復帰した直後のライブで1998年11月14日に録音されたもの。

メンツは、いつもの3人
Keith Jarrett(P)、Gary Peacock(B)、Jack DeJohnette(Ds)

演奏曲は以下の通り。お馴染みの曲が多めという印象です。
Disc1が10分以上の曲多め、Disc2が7分くらいの曲が多めで曲数が違っています。

Disc1
1. The Masquerade Is Over
2. Scrapple From The Apple
3. Old Folks
4. Autumn Leaves

Disc2
1. Bouncin’ With Bud
2. Doxy
3. I’ll See You Again
4. Late Lament
5. One For Majid
6. Santa Claus Is Coming To Town
7. Moments Notice
8. When I Fall In Love

慢性疲労からの復帰後初のライブってことで、おそらく体調としてはまだまだ万全とは言い難い状況だったと思われるが、そこは構成その他でしっかりカバーしていたんじゃないかと推測できる。

収録順がコンサートそのままなら、前半の曲は演奏時間が長く、後半は短めに刻むことで体力、気力の維持を考えていたんでしょう。

選んでいる曲も、手が勝手にテーマを弾けるようなジャズを聴いている身にはおなじみのブルージーな4ビート曲が並び、そんなテーマはほぼ元曲通りの演奏をしている。
それが故に、難解な展開に入り込むのを未然に防ぎつつ、勝手知ったる3人が故に先の展開が予測できるので3者の呼吸が合わせやすい状況になること。
そんな中で、ソロパートを含めて気持ちよく復活の演奏を楽しんでいたんじゃないかと推測している。
唸り声も快調の証と言いたいくらいに相応に聞ける。

高度な緊張感を孕んだ演奏とはいかないが、その裏腹であることも含めてソロも含めて伸びやかで心地よく楽しむことができる演奏が繰り広げられる。

ということで、演奏のクオリティを維持したまま、スタンダーズトリオの中では難解度低めの作品に仕上がっていまして、Still Live(http://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245561803)が流行ったように本作もかなりな人気になることを予測しているが…


ベストは、Disk2の7曲めにしましょう。

Keith Jarrett "After The Fall"(http://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007585434)