"Country For Old Men" John Scofield

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John Scofieldの2016年夏ころの新作で、リリース直後は、”まいっか”と買わずにスルーしていた作品。
先日、図書館の蔵書(蔵音?)を漁っていたら所蔵されているのを見つけたので、いそいそと借りてきたもの。
当時、購入をスルーした理由が、タイトルから想起されるカントリー集だからだったんですが、John Scofieldなんで聴く機会があればと思っていたので、シメシメでありました。

メンツ、良いんですよね。本当にスルーしたのが正解だったのか・・・
John Scofield(G)、Larry Goldings(Org,P)、Steve Swallow(B)、Bill Stewart(Ds)

演奏曲は、トラディショナルを含むいろんな人(カントリー系らしい)の演奏を並べていて、John Scofieldのオリジナルは無し。だから、躊躇したんですが..。
1. Mr Fool
2. I'm So Lonesome I Could Cry
3. Bartender's Blues
4. Wildwood Flower
5. Wayfaring Stranger
6. Mama Tried
7. Jolene
8. Faded Love
9. Just A Girl I Used To Know
10. Red River Valley
11. You're Still The One
12. I'm An Old Cowhand

冒頭曲こそ、テンポからフレーズのなぞり方からカントリーそのものって感じの演奏だが、2曲めでは4ビートのジャズ濃度の濃い演奏。
以降も、さすがにフレーズはカントリーの元曲が色濃く出るものもあるし、テンポも「ぽい」テンポを選んで演奏している場面も見られるが、総じてカントリーカントリーしている演奏は少なく、カントリー曲を素材にしたジャズとして聴いて違和感のない作品になっている。

John Scofieldは、彼の個性通りのアウトして、ちょっとウネウネするフレーズをしっかり利かせているし、Bill Stewartのこちらも個性をしっかり出したドラムとの相性で、ジョンスコのジャズな雰囲気がいや増してくる。
そこに、Steve Swallowのうねるようなドライブ感のあるベースを入れてくるのも、曲の雰囲気つくりには見事な器用といえるところ。素晴らしい!!

Larry Goldingsがオルガンを演奏していると、カントリー曲としてはある種の違和感を感じるような気配が出てきて、ただこれがあるが故にジャズな雰囲気を維持している気もするので、そのバランスが良い塩梅に保たれているところがありそう。


カントリー曲集ってことで、Bill Frisellのアルバムや、昨今のアメリカーナの流行から、がっつりカントリーな演奏に終始するんじゃないかと、ちょっとかまえて聴き始めたところがあるが、前述の通り「カントリー曲を素材にしたジャズ」という感じで楽しく聴いて個人的先入観のせいで、聴き込んでからでないとジャズとして聴けてないってのもあるんですが.. (^^;;

7曲めとか、11曲めとか、聞き覚えのあるフレーズが出てきて、いろんな意味でニヤつくところも、ご愛敬ってことで..w

ベストは、1曲めからの展開でヤられてもいるんですが、2曲めになるんでしょう。


"Country For Old Men" John Scofield (http://diskunion.net/jazz/ct/detail/XATW-00141206)

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