スガダイロー "季節はただ流れて行く"

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ここのところリリースされているアルバムの大半が、VelvetSunの直販でだけ流通しているもので、さらに聴くべき作品は、こちらにあるという認識なので、通販で買うか、VelvetSunにライブを見に行った時に買ってくるかしかないんですが、本作はZycosを聴きに行ったとき(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64482321.html)
に入手したもの。
 "Solo Piano at Velvetsun"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63658614.html)
amazonで買えるのは、
2016年の"蝉丸-陰陽師の音"(https://www.amazon.co.jp/dp/B01HSFOXFC/)、
2017年の多田誠司とのデュオ作"残照 Live"(https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4ULYQ6/)
とありますが、いずれも未購入。
もひとつ近作がVelvetSunの直販であるんですが、これは未購入。
 "Litte Blue"(https://velvetsun.theshop.jp/items/8421680)

本作は、五反田にある音楽ホール(http://shinagawa-gotanda-planetarium.com/hall/)で録音されたソロ作。
スガダイロー(P)

演奏曲は、毎月1曲ずつ一年を費やして作曲した作品集とのこと。
01.花残月 April
02.皐月 May
03.季夏 June
04.七夕月 July
05.葉月 August
06.晩秋 September
07.神無月 October
08.仲冬 November
09.春待月 December
10.正月 January
11.如月 February
12.花見月 March

13. 海は見ていた With the sea


左手がミドルテンポで反復するリズムを延々と奏でる。
右手がどこまでが譜面に書かれ、どこまでが即興かは不明だが、しっかり構築された美旋律を絡めていく。
言ってみれば、ちょうどKeitjJarrettのソロ作を聴いているような気分になる演奏。
もっとも旋律としては、アメリカな雰囲気ではなく、より和テイストを強く感じるフレーズになっている。

曲のタイトルを把握して聴くと、その情景をより思い描きやすいような印象。
1曲めは、桜の花びらが風にまって散っていくような
3曲めは、少し強めにしっかり降り続く雨と、雨だれ
4曲めは今にも降り落ちて来そうな満天の星空
8曲め、木枯らしに枯葉が舞っているような
といった感じ。この情景を描く力量の凄さ。

そして、なによりも特筆すべきは、スガダイローがフリーなアプローチや、指以外で鍵盤を叩く所作を一切入れていないことで。
いや、5曲めの後半とかフリーにいきそうないかにもスガダイロー的なフレーズも出てくるが、大半は見事に素晴らしくも美しい旋律に埋め尽くされている。

もうひとつの特筆事項として、ピアノの響きがとても綺麗で、濁り感のほとんど感じられない素晴らしい響きが聴ける。
1987年製のスタインウェイのフルコンとのことだが、よほど良いピアノなんでしょう。

ベストは、試聴でも聴けた9曲めで

スガダイロー "季節はただ流れて行く"(https://velvetsun.theshop.jp/items/10050195)

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