"Live In Europe" Fred Hersch

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Fred Herschの新作は、2017年11月にベルギーで録音されたもの。
近作は、Anat Cohenとのデュオ作
 "Live In Healdsburg"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64454087.html)
その前は、ソロでのリリースで、来日もありました。
 "Open Book" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64288183.html)
トリオとしては2016年のVillage Vanguardでのライブ。
 "Sunday Night at the Vanguard" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63875820.html)

と、さまざまなフォーマットでも演奏を残しているが、それでもレギュラートリオをしっかり維持し、コンスタントにスタジオ録音でなくライブ盤をリリースしているのは、Keith JarrettのStandardsのアルバムリリースに近いものを感じる。
同じメンツでの演奏を深く掘り下げ、探求していくような境地をしっかり持ち合わせていることをうかがわせる。

そんなメンツは、以下の通り。
Fred Hersch(P)、John Hebert(B)、 Eric McPherson(Ds)

演奏曲は Fred Herschのオリジナル6曲に、Thelonious Monk、Wayne Shorterが2曲ずつという構成。
01. We See
02. Snape Maltings
03. Scuttlers
04. Skipping
05. Bristol Fog (For John Taylor)
06. Newklypso (For Sonny Rollins)
07. The Big Easy (For Tom Piazza)
08. Miyako
09. Black Nile
10. Solo Encore-Bluemonk

耽美な演奏というよりは、タッチも強めだったり、強くなくてもしっかりしたタッチで粒立ちのある音色に終始している印象。

もともと、しっかりしたタッチでの演奏もしていたがライブだからか、さらに気分が乗っていたからなのか、本作ではより自信に満ちたような確固たる意志みたいなものを感じさせる演奏という印象。

そんな親分の気分に乗ってか乗せられてか、John Hebertのベースもいつも以上にゴリッとしたサウンドを強調したような感じだし、Eric McPhersonのドラムも繊細なコントロールのもと微妙なニュアンスを表出する場面に、ダイナミックなアプローチもしっかりこなす場面と、タイトな音色で跳ねるような演奏をする。

録音のせいってのも正直ありそうな気もするがこのパリッとした演奏を好む人は多そうだし、個人的にもこんなFred Herschを聴く楽しさを実感している。

最後、アンコールをソロで締めくくるのは最近の常套のようだが、それもしっくりとはまる。

ベストは9曲めにします。


"Live In Europe" Fred Hersch (https://www.amazon.co.jp/dp/B079PTH88K/)

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