"Channels of Energy" Antonio Sanchez

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Antonio Sanchezのリーダー作は、WDR BigBandによる彼の曲を演奏したもので、Vince Mendozaがアレンジと指揮を担ったもの。
2枚組でのリリースではあるが、聴いていてちょっと短いような気もしたので、もしかしたらうまくまとめれば1枚でもリリースできたんじゃないかと..。

メンツは、WDR BigBandにAntonio Sanchezが加わったものであるのは、コンセプト通り。
Antonio Sanchez(Ds)
WDR BigBand

演奏曲の元のアルバムを調べると以下のような構成になってました。
DISK1:1,3,4 DISK2:1が、"New Life"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61915068.html)
DISK1:2が、"Three Times Three"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62937664.html)
DISK2:2,3,4が、"Meridian Suite"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63276219.html)

ディスク 1
01. Minotauro
02. Nooks And Crannies
03. Nighttime Story
04. The Real McDaddy
ディスク 2
01. New Life
02. Grids And Patterns
03. Imaginary Lines
04. Channels Of Energy

何度かこのアルバムを聴いた後、この文章を書き始める前に、数曲だが元の演奏を聴き直してみたんですが、イントロのリズムパターンとか、テーマとか肝心なところは、元の曲から大きな変更は施さず、BigBandの重厚なサウンドで再現することで、曲として以外の魅力を付加しているような印象。

金管と木管の対比、管楽器とリズム楽器(主にベース)との対比、金管によるしっかりとしたアクセントになるリフ、パートごとの重合的なアンサンブルの緻密さ、ドラムによるビートが先導する躍動感、同じフレーズを取っ替え引っ替えいろんな楽器で繰り返していくようなドラマチックな展開。
そこに多過ぎないソロがアクセント的に効力を発揮して、これもアンサンブルとの良い対比を聴かせる。

特に、ロック的、フリージャズ的、フュージョン的なテイストとかを殊更強く取り入れるような展開にはほとんどならず。
珍しい楽器の起用、珍奇な和音、突然雰囲気が変わる展開とか。
ものすごく派手な振る舞いも、取り立てて異彩を放ったり、異色的な雰囲気を発散するような最近のラージアンサンブルに起用されているような手法をとることもなく、どちらかというとigbandの正攻法的な作りで仕上げられていながら、それでもドラマチックなサウンドを醸し出していく。

あらためてAntonio Sanchezの楽曲の格好良さを認識したというのもあるが、それを効果的に引き出すように仕上げているアレンジの良さも特筆したいところ。

ベストは、DISK2の1曲めにしましょう。


"Channels of Energy" Antonio Sanchez(https://www.amazon.co.jp/dp/B076VKQ2W2/)

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