Jonathan Kreisberg & Nelson Veras "Kreisberg Meets Veras"

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Jonathan Kreisbergは、そもそもはAri Hoenig のSmallsでのライブアルバムでで好感触を得たのが馴れ初めで
 "Live at Smalls"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60161207.html)
その直後にリリースされた新作がえらく格好良くて、そこで一気にファンになり、ほぼ全部のアルバムを買って聴いています。
その格好良かった盤が、
 "Shadowless"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60318377.html)
とはいえ、リーダー作は2つだけで、2013年のソロ作の
 "One"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61842894.html)
と2015年のコンテンポラリ系作品
 "Wave Upon Wave"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63040355.html)
だけ。で、個人的には、"Shadowless"を凌駕している印象ではなかった。
と、リリース頻度がかなり緩慢で3年ぶりになる本作はNelson Verasとのデュオ作。

Nelson Verasは、ブラジル生れフランス在住のジャズ系ギタリスト。1977生とのことなので40才くらい。
ちなみに、Jonathan Kreisbergは1972生だそうです。

そんな2人だけでのデュオ作であります。
Jonathan Kreisberg(G)、Nelson Veras(G)

演奏曲は、Jonathan Kreisbergのオリジナルが3曲に、Thelonious Monk, Milton Nascimento, Charles Mingus, Chick Corea, Wayne Shorter各1曲という布陣。
Nelson Verasのオリジナルはありませんでした。

1. Lina Rising
2. Until You Know
3. Every Person Is a Story
4. Bye-Ya
5. Milagre Dos Peixes
6. Goodbye Pork Pie Hat
7. Windows
8. Face on the Barroom Floor

たぶん、左のエレクトリック感の強い音色がJonathan Kreisberg、アコースティックな感じの音色のほうがNelson Verasと思われる。

ミディアムスローからスローといったテンポの曲を、2人が交互にメインソロと伴奏とを役割分担しながら演奏を進めていく。

Jonathan Kreisbergが、持ち味のコンテンポラリ系の凝った和声を駆使したサウンドでの即興を繰り広げるとNelson Verasは、クラシックのテイストを、感じさせつつ、早弾きを織り込むようなスタイルで、アコギの美しい音色を聴かせていく。

いずれもテクニック面では文句のつけようがない名手感を漂わせ、早いフレーズからエモーショナルな表現までしっかりと聴かせる演奏を繰り広げる。

特にNelson Verasのバッキングでの演奏が秀逸で、ギターデュオの脇の役割は、得てしてベースラインを元にした低音を基調にサウンドの厚み付けを担おうとすることが多いところ、低音に頼り切らずに、的確におかずを盛り込んできて、創造性の高いバッキングをつけていく。

比較するとJonathan Kreisbergのほうが、まっとうなバッキングって印象か。Jonathan Kreisbergが前面に立つ頻度が高いところも、こんなことが要因なのかもしれない。
その分、フロントでの演奏が素晴らしいのも事実だが。

ベストは4曲め

Jonathan Kreisberg & Nelson Veras "Kreisberg Meets Veras"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07BC2X59H/)

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