Jean Michel Pilc "Parallel"
先日(と言っても3年くらい前に)ライブで生の演奏を体験することができた、Jean Michel Pilcの新作はソロでの2枚組。
ライブの実況は下記にて紹介。
Jean-Michel Pilc Trio(20151101) (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63443982.html)
Jean Michel Pilcのリーダー作はほとんど全部買いしてますが、近作が2015年に2作立て続けにリリースした下記で後者がソロ作でありました。
"COMPOSING"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63375267.html)
"What Is This Thing Called?"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63090782.html)
個人的(というより自分に近いblog仲間)の評価に比して、巷の評価があまり高い感じではなく、
それが、リーダー作のリリース頻度に影響しているこの人の演奏は、微妙に判りやすくて微妙に判りにくい。
痒いところに手が届かない塩梅が絶妙で、最高に面白いと思うので是非体感してもらいたいものです。
演奏者はソロ作なので当然1人だけ。
Jean Michel Pilc(P)
本作は2枚組のソロ作ではありますが、1枚めが23曲、2枚めが4曲という超極端な収録曲数でのリリース。
収録曲の大半がオリジナルで、非オリジナルは5曲だけでありました。
それにしても...。
Disc 1
1. Idea Please - One
2. Minor Issue
3. Footprints
4. Shooting Star
5. Idea Please - Two
6. Days of Wine and Roses / Someday My Prince Will Come
7. Enescu
8. Idea Please - Three
9. JPJ
10. IWP Blues
11. Idea Please - Four
12. Liza
13. Homecoming
14. Idea Please - Five
15. Your Lullaby
16. Words
17. Idea Please - Six
18. The Girl From Ipanema
19. Three For Two
20. Idea Please - Seven
21. My Beautiful Flower is Pink
22. Idea Please - Eight
23. Mr. R.B.
Disc 2
1. Cells Part 1
2. Parallel
3. Like Someone in Love
4. Cells Part II
Jean Michel Pilcのピアノの魅力は、聞き知った曲を絶妙に崩して、魅力的なフレーズに再構築して聴かせるところにあるという認識で。
そういう意味では、オリジナル、インプロビゼーションではそんな魅力を十全には発揮できないちょっともったいない演奏というのが、これまでの刷り込みなんですが…。
ここでは、既製曲を絶妙微妙に崩していく本来的な魅力ある演奏も多数含まれるが、
フリーインプロビゼーションな演奏でありながら、左手で奏でられるコードで想起されるフレーズからの逸脱がおもしろいことになっていて、即興であっても単純な主題のようなフレーズを先に持ってきて、それを換骨堕胎してJean Michel Pilcらしい新しいフレーズを構築していくような技を披露していて、既成曲以外でも自身の魅力を発揮する術を見出しているように感じられる。
曲数を見てもわかるように、1枚めのディスクでは、次から次へと曲が変化していくコラージュ的なつくりで、もしかしたら気分の赴くまま、手が勝手に動くのに抗わずに音を発していった結果を全て納めたんじゃないかと思うくらいに程よく肩の力の抜けたサウンドが心地良い。
タッチによる抑揚つけ、スタイルの幅広さ(特に後半からは、ラグタイム調、クラシック調まで出てくる。)フレーズのダイナミックな動き、最近ピアニスト毎のピアノの表現の幅みたいなのも気になって来ているが、
この人の表現の幅は尋常じゃないものがあり、次から次へといろんなサウンドが飛び出してくる表現のアイデアの幅の広さには感服しきりであります。
ディスク2は、内静的美旋律をしっとりと時間をかけて演奏したもので、これはこれで聴き応えのある演奏ではあるが、Jean Michel Pilcならではの魅力からすると、ちょっと違うのかなぁということになるか。
ベストは、ディスク1の2曲めにします。
Jean Michel Pilc "Parallel"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07CCG1XKD/)
ライブの実況は下記にて紹介。
Jean-Michel Pilc Trio(20151101) (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63443982.html)
Jean Michel Pilcのリーダー作はほとんど全部買いしてますが、近作が2015年に2作立て続けにリリースした下記で後者がソロ作でありました。
"COMPOSING"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63375267.html)
"What Is This Thing Called?"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63090782.html)
個人的(というより自分に近いblog仲間)の評価に比して、巷の評価があまり高い感じではなく、
それが、リーダー作のリリース頻度に影響しているこの人の演奏は、微妙に判りやすくて微妙に判りにくい。
痒いところに手が届かない塩梅が絶妙で、最高に面白いと思うので是非体感してもらいたいものです。
演奏者はソロ作なので当然1人だけ。
Jean Michel Pilc(P)
本作は2枚組のソロ作ではありますが、1枚めが23曲、2枚めが4曲という超極端な収録曲数でのリリース。
収録曲の大半がオリジナルで、非オリジナルは5曲だけでありました。
それにしても...。
Disc 1
1. Idea Please - One
2. Minor Issue
3. Footprints
4. Shooting Star
5. Idea Please - Two
6. Days of Wine and Roses / Someday My Prince Will Come
7. Enescu
8. Idea Please - Three
9. JPJ
10. IWP Blues
11. Idea Please - Four
12. Liza
13. Homecoming
14. Idea Please - Five
15. Your Lullaby
16. Words
17. Idea Please - Six
18. The Girl From Ipanema
19. Three For Two
20. Idea Please - Seven
21. My Beautiful Flower is Pink
22. Idea Please - Eight
23. Mr. R.B.
Disc 2
1. Cells Part 1
2. Parallel
3. Like Someone in Love
4. Cells Part II
Jean Michel Pilcのピアノの魅力は、聞き知った曲を絶妙に崩して、魅力的なフレーズに再構築して聴かせるところにあるという認識で。
そういう意味では、オリジナル、インプロビゼーションではそんな魅力を十全には発揮できないちょっともったいない演奏というのが、これまでの刷り込みなんですが…。
ここでは、既製曲を絶妙微妙に崩していく本来的な魅力ある演奏も多数含まれるが、
フリーインプロビゼーションな演奏でありながら、左手で奏でられるコードで想起されるフレーズからの逸脱がおもしろいことになっていて、即興であっても単純な主題のようなフレーズを先に持ってきて、それを換骨堕胎してJean Michel Pilcらしい新しいフレーズを構築していくような技を披露していて、既成曲以外でも自身の魅力を発揮する術を見出しているように感じられる。
曲数を見てもわかるように、1枚めのディスクでは、次から次へと曲が変化していくコラージュ的なつくりで、もしかしたら気分の赴くまま、手が勝手に動くのに抗わずに音を発していった結果を全て納めたんじゃないかと思うくらいに程よく肩の力の抜けたサウンドが心地良い。
タッチによる抑揚つけ、スタイルの幅広さ(特に後半からは、ラグタイム調、クラシック調まで出てくる。)フレーズのダイナミックな動き、最近ピアニスト毎のピアノの表現の幅みたいなのも気になって来ているが、
この人の表現の幅は尋常じゃないものがあり、次から次へといろんなサウンドが飛び出してくる表現のアイデアの幅の広さには感服しきりであります。
ディスク2は、内静的美旋律をしっとりと時間をかけて演奏したもので、これはこれで聴き応えのある演奏ではあるが、Jean Michel Pilcならではの魅力からすると、ちょっと違うのかなぁということになるか。
ベストは、ディスク1の2曲めにします。
Jean Michel Pilc "Parallel"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07CCG1XKD/)
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