Jason Moran "Bangs"

イメージ 1

Jason Moranが自身のレーベル(https://yesrecords.bigcartel.com/products)から複数枚のアルバムをリリースしていて、そのうちのいくつかをDisk Unionがデリバリしているのを見つけて、その中から2枚購入してきたうちの1枚。

もう1つはオーソドックスにピアノトリオでのライブ作
 "Thanksgiving at The Vanguard"(https://yesrecords.bigcartel.com/product/thanksgiving-at-the-vanguard)

メンツはここのところ良い仕事をしているRon Milesに、話題の尽きないフリー系ギタリストMary Halvorsonとの共演。
これは、聴いてみたい濃度が相当濃いものであります。2016年10月のスタジオ収録作。

Jason Moran(P)、Mary Halvorson(G)、Ron Miles(Cor)

演奏曲は、Jason Moranが5曲、Mary Halvorsonが3曲、Ron Milesが2曲という割り振りですべてメンバーオリジナル。
1. Crops
2. Red Sky Green
3. Cupid
4. The 13th Fugue
5. They Come To Us Theme
6. Gangsterism in the Wind
7. White Space
8. My Father's House
9. Conspiracy Blue
10. Gangstersim in the Wind Again

ギター、ピアノがそれぞれに揺らぎのある反復フレーズを奏でる上でトランペットが音数少なめの即興を繰り広げる2曲め。
ピアノの伴奏にギターの親しみやすくも美しい旋律がのる3曲め。

短調のダークな曲ばかりでなく、3曲めとか8曲めのような長調の明るめの曲も数曲含まれるが、主に美旋律を内省的に奏でていくような、静的なサウンドを中心とした作風。
3者が非常に繊細に気を使って音を選んでいるのが感じられ、音数は少ないがその密度感はかなり高い。

Mary Halvorsonが、本編の大半はらしくない端正なサウンドを奏でている場面が多いが、要所にはしっかりと歪んだ音色をアクセント的に入れてきたり、変態的なサウンドを混ぜ込んで存在をアピールしている。

Ron Milesも、先日のJoshua Redmanのアルバムでもそうだったが、美しい音色とセンスを感じさせるフレーズとで、非常に良い演奏家になっていることを感じさせる。
Mary Halvorsonに感化されてか、ちょっとだけ歪んだ音色を入れてくるところがなお素晴らしい。

フリー濃度はスパイシーに効いている程度で希薄だが、スピリチュアルな雰囲気たっぷりなので、こういうサウンドは一般的には難易度は高くなるんでしょう。

ベストは、この中では異色ではあるが3曲めになるんでしょう。

Jason Moran "Bangs"(http://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007652856)

この記事へのコメント