Jason Moran "Thanksgiving at The Vanguard"

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Jason Moranが自身のレーベル(https://yesrecords.bigcartel.com/products)から複数枚のアルバムをリリースしていて、そのうちのいくつかをDisk Unionがデリバリしているのを見つけて、その中から2枚購入してきたうちの1枚。

もう1つは、Mary Halvorson、Ron Milesとクセのある面々とのトリオ作。
 "Bangs"(https://yesrecords.bigcartel.com/product/bangs)

この作品は、2016年11月にVillage Vanguardで行われたライブで、前、前々の紹介作でも共演している
面々なので、この2人がJason Moranのレギュラートリオなんでしょう。
 "All Rise"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62926896.html)
 "ten"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59718983.html)
そんなメンツは以下の通り。
Jason Moran(P)、Tarus Mateen(B)、Nasheet Waits(Ds)

演奏曲は以下の通り。ジャケにクレジットは書かれていないんで正確なところは不明ですが、たぶん全部Jason Moranのオリジナルで良さそう。
1. For Jaki
2. Band Intro
3. Gangsterism at The Vanguard
4. Winds
5. Big News / More News
6. South Side Digging
7. Blessing The Boats
8. Thelonious
9. Between Nothingness and Infinity
10. Wind Finale

ラグタイム調のピアノソロをイントロ的に弾いた後、2トラックめでMCが入って、3トラックめから本編に突入。
8ビートのダイナミックな演奏から、ソロを経て、徐々にフリーな展開へと突入しそうになところをグッと引き戻ってエンディングになる10分に及ぶ大作。

スローテンポで、おとなしい感じのピアノに煮え切らない感じになりそうになるが、実はエモーショナルなベースソロが素晴らしい4曲め。
左手が2ビート調の合いの手を入れる伴奏のうえをドラムが暴れまわる5曲め。
低音を多用したガンガン打ち鳴らす激しいピアノから、ペースをゆっくりと落としてエンディングに向かう6曲め
ピアノの低音乱打のイントロが3分程度続いた後からポップなテーマを経てセッション的展開へと連なる7曲め
Someday My Prince Will Come のような入り方をする4ビートの8曲め

Jason Moranの、ブッ叩き系の荒々しいピアノ、フリースタイル、メロディアスな表現、等々表現の幅の広いピアノ。
テンポを気にしないくらいに創造性のあるメロディアスな演奏を入れてくるTarus Mateenのベース。
フリーなスタイルも絡めながら、こちらもビートを刻むだけに留まらないドラミングを聴かせるNasheet Waitsのドラム。
と、3者それぞれにフリーの要素をたっぷりと持ち合わせていながら、フリーにはいかず(瞬間的にフリーな演奏になだれ込む場面は多数存在する)にエキサイトなピアノトリオを聴かせる、かなり満足度の高い演奏を楽しませてもらいました。

8曲めがベストでしょう。

Jason Moran "Thanksgiving at The Vanguard"(http://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007659904)

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