B'Ridge "B'Ridge"

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この盤は新譜漁りをしているときに見つけて、佐山さんのピアノに若手のリズムが絡む演奏がどんなことになっているのか気になったもの。

織原は、アルバムでもライブでも多数聴いていて、アルバムの最近作は橋爪亮督のアルバムに入っていました。
 "Incomplete Voices"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64159819.html)
福森は、自blogではCRCK/LCKSの石若のトラで演奏したNegiccoのアルバムで聴いています。
 "Live at UMEDA CLUB QUATTRO, LIQUIDROOM" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64536045.html)
が、リーダーの佐山さんの入ったアルバムって1つも紹介されていませんが、Ponta BoxはいくつかCDを持ってて、多少なりとも聴いています。

佐山雅弘(P)、織原良次(B)、福森康(Ds)

演奏曲は、佐山5曲、織原5曲のオリジナルに、Esperanza Spalding、Jaco Pastoriusで全部で12曲
1. Ballad for Yasushi
2. しなやかな指をもちなさい
3. Radio Song
4. Space Bridge
5. umi
6. sora
7. riku
8. 鉄と火花
9. Lullaby of Bassist
10. ヌデレバの追走
11. 人間が住んでる
12. Three Women

福森のドラム。
暴れまわるというより音の散弾を撒き散らしていくようなイメージ。ていねいに端正にジワリと攻め立ててくるような演奏。
頭でっかちではないが知性を感じさせるようなドラミングでいながらグルーヴ感はしっかり持ち合わせている。

織原のベース。
タッピングによる高音でバッキングをしていく2曲め、高音での美旋律が印象的な9曲めと、基本的には高音域でのメロディアスなフレーズを多用しながら良く歌う。
後述の通りピアノの音数が少なめな分、ベースが全体のイニシアチブを取っているような印象すら感じさせる。
織原の、軽やかなサウンドが全体を軽やかに聴かせる効果はありそう。
もっとももともとが重い曲調はほぼ皆無なのではあるが、それでも聴きやすい雰囲気を醸しているところはあると思う。

そして、佐山のピアノ。
テーマとあとは要所って程度に、必要以上の音は出さないような印象。
そのフレーズは現代音楽を彷彿とさせるような知性的な表現を織り込んだ、それでいて渾身と表現したくなるような音を繰り出してくると言った感じで、とても奥深いパワーを感じさせるような音を繰り出す。

当然、3曲めのソロとか7曲めのように、ピアノが前面に出てくるものも含まれるが、全般的にはベースより半歩か一歩くらい下がったような立ち位置という印象。
それでいて存在感はしっかりあって、この辺が佐山さんの巧さを感じさせるところか。

全体に知的な印象が勝ったような文章になっているが、実際は程よくノリのあるメロディアスな演奏で気持ち良く聴いていられるような演奏。

ベストは、Esperanza Spaldingの3曲め


B'Ridge "B'Ridge"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07C5NSSNQ/)

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