Daniel Santiago "Union"

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Daniel Santiagoは、つい最近 Pedro Martins とのデュオ作で聴いていて
 "Simbiose"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64501885.html)
そんなんで名前を憶えていたところに新作の情報を見つけたもの。
こちらでは、共同プロデュースととして名を連ねているとのこと、参加メンバーが多いので厚みのあるサウンドでDaniel Santiago、Pedro Martinsの音世界が楽しめそうとの予測から購入してきたもの。

メンツをよく見ると、Shai Maestro、Frederico Heliodoro、Antonio Loureiroと凄腕の面々が紛れているのが凄い。楽器のクレジットは相当端折っています。
Daniel Santiago(G)(Syn)(Vo:2-7,9)、Pedro Martins(Kb:1,5,6)、Shai Maestro(P:6)、Frederico Heliodoro(B:1,3,4,7,8)、Rafael Vernet(Kb:3)
Gregoire Maret(harmonica:9)、Thiago Rabello(Ds:1,3,5,8)、Antonio Loureiro(Ds:4,5)、Renato Galvao(Ds:2,6,7)、Ricardo Braga(Per:5)


演奏曲は以下の通り、すべて共作はあるがDaniel Santiagoのオリジナル。
1. Caminhada
2. Bumbah
3. Mudanca
4. Na Beira
5. A Barca
6. Terra Molhada
7. Union
8. Eterno Recomeco
9. Valentina

冒頭曲のリズムのノリ、2曲めのボイスでのフレーズ、3曲めの音の重さ具合..。
なんて具合に、いたるところにちょこっちょこっとKurt Rosenwinkelの"Caipi"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64023568.html)の雰囲気を彷彿とさせるパーツが如実に紛れ込んでいることが見え隠れする。

Pedro MartinsがKurt Rosenwinkelに見出された時のエピソードを思い起こすと、Pedro Martinsの体を駆け巡っているサウンドが、まさにこんなサウンドで、それが結実したのがKurt Rosenwinkelの"Caipi"であり本作であることが窺い知れる。

この作品を聴くと、Pedro MartinsとKurt Rosenwinkelのサウンドイメージが似ていたというよりは、Kurt RosenwinkelがPedro Martinsのサウンドイメージに看過したというほうが合っているんじゃないか?
なんてことを想像させるサウンドに仕上がっている。

解説を読むとPedro MartinsとKurt Rosenwinkelを引き合わせたのがDaniel Santiagoだったとか!?

全体的には、個の演奏を細かく追って堪能するというよりは、良くコントロールされ、バランスのとれた全体のサウンドを楽しんでこそ、この作品を堪能できるんだと思うが、それくらい両者のプロデュース力の凄さが光っている。
もちろん、ここでのDaniel SantiagoのPedro Martinsの意図に沿ってるであろうギターサウンドの格好良さ、6曲めのShai Maestroに、オォッとなったりと個の演奏に萌える場面も存在するが。


ベストは、どことなくYMOの"Mass"を彷彿とさせる4曲めで

Daniel Santiago "Union"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07F1F8K65/)