Fred Hersch "ETC"

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Fred Herschの1988年の演奏が、これは再発だと思うが、リリースされました。
最近の演奏(CD)は、ほぼ欠かさず聴いているが古い演奏は全然聴けてないので、タイミングがあったら聴いておこうと購入を決めたもの。
Fred Herschは2008年に生死を彷徨うほどの大病を患っているが、それ以前の演奏はほとんど聴いておらず、それなら初期にあたる演奏を聴いてみようってのも動機のひとつになっている。
古い作品は、Charlie Hadenの追悼でリリースされた"Sarabande"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63854793.html)を聴いているくらい。

この作品の前後を調べていたら、これはおおよそ3つめのレギュラートリオで、同じメンツに Jerry Bergonzi のサックスが入った1991作なんてのもありました。
 "ETC. Plus One"(https://www.amazon.co.jp/dp/B000000G5K/)

かくいうメンツは以下の通り。ここでのベーシスト、ドラマーが入ったアルバムが自blogが漁ってもほとんど出てこないのは..。最近はあまり活動をしていないのか自分の嗜好と合わないところで活動をしているのか..。
Fred Hersch(P)、Steve Laspina(B)、Jeff Hirshfield(Ds)


演奏曲は以下の通り。現在も愛奏している曲を含んだものでオリジナルは無し。
1. Black Nile
2. The Dolphin
3. All Blues
4. Every Time We Say Goodbye
5. Simone
6. Easy To Love
7. Unit Seven
8. Sometime Ago

最近の演奏について、2008年の病気以前の演奏に調子が戻ってきているという評を見かけるが、この演奏を聴くと言ってることが実感できるというか、最近の演奏とここで聴ける演奏に違いを感じられない(とか偉そうに言ってるが、そこまで判り切っているかは??)
明瞭に粒立ち良い音色で、言いたいことを漏らさず伝えているような、饒舌でありながら淀みのない演奏を聴かせる。
強いて言えば、最近の演奏のほうが、バラード等での円熟味のようなものは出てきているか

Jeff Hirshfieldは、必要以上に音数が多いタイプではなく、地味なドラムと言えそうだが、実は結構いろんな音色を駆使した演奏で、そこだけ集中して聴いてても結構楽しめる。
微妙にコントロールしながら音楽に抑揚を付けていくシンバルレガートに旨味を感じる。
勢いのある曲ではウォーキング、聴かせる曲ではメロディアスなフレーズと、リズム感をしっかり出しながらも曲の状況に合わせてバックアップのしかたを変えてくるSteve Laspinaのベース。
ここでのFred Herschにとっては良い相棒だったことがうかがえる。

ベストは、7曲めにしましょう。


Fred Hersch "ETC"(https://www.amazon.co.jp/dp/B000000G54/)