Thumbscrew "Theirs"

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ここのところ、強烈に多作なMary Halvorsonですが、まだまだリリースされていまして。。
近作は、2017年末の
 "Paimon: Book of Angels 32" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64361528.html)
2018年春の
 "Code Girl" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64505708.html)
2018年夏
 "Maid With The Flaxen Hair" (https://www.amazon.co.jp/dp/B07DKSXFSK/)
立て続けにリリースされた
 "Ours" (https://www.amazon.co.jp/dp/B07BQPXRWR/)
 "Theirs" (https://www.amazon.co.jp/dp/B07BQNQJR7/)
と、1年経っていないのにこのリリースペースはちょっと驚異的なものがあります。
とりあえず、この先のリリース予定は公表されていない(201810時点)ようなので、ひと安心なのですが来年もまたどどっと出てきても不思議ではない。
聴けば面白いのは間違いないけど、そんなにたくさん買ってたら...と、ちょっと戦々恐々

本作は、Thumbscrew名義でリリースされていますが、メンツは以下の通り。

Mary Halvorson(G)、Michael Formanek(B)、Tomas Fujiwara(Ds)

前述の通りThumbscrew名義で、実は2枚同時にリリースされていまして、これはそのうちの1枚で、
他人の曲ばかりを集めたもの。
曲名の後にBENNY GOLSON、HERBIE NICHOLS、WAYNE SHORTERなんて名前も並んでいます。

01 STABLEMATES (BENNY GOLSON)
02 BENZINHO (JACOB DO BANDOLIM)
03 HOUSE PARTY STARTING (HERBIE NICHOLS)
04 THE PEACOCKS (JIMMY ROWLES)
05 EAST OF THE SUN (BROOKS BOWMAN)
06 SCARLET RIBBONS (FOR HER HAIR) (EVELYN DANZIG)
07 BUEN AMIGO (JULIO DE CARO)
08 DANCE CADAVEROUS (WAYNE SHORTER)
09 EFFI (STANLEY COWELL)
10 WEER IS EEN DAG VOORBIJ (MISHA MENGELBERG)

メロディアスなベースによる伴奏、淡々と刻むドラムのリズム、ごく真っ当に奏でられるテーマ。
薄くディストーションのかかった音を乗せ、さらにギター音の逆再生のような音を重ねて独特の雰囲気を作り出す1曲め。

2曲め以降も、至極真っ当に曲を演奏するが、テーマを演奏するMary Halvorsonか、固有の揺らぎと歪みを終始ぶっ込んできて、独特のMary Halvorsonワールドを作り出す。

Mary Halvorsonの変態トーンにさらされ続けると、Michael Formanekのメロディアスによく歌うベースが安心感を与えるという意味で魅力的に聞こえ、Tomas Fujiwaraのドラムの散りばめられる打音が無機的に聞こえるほど。

そして、スタンダートたり得る名曲はどんな演奏であっても曲の良さは映える。のか、はたまたスタンダードの旋律があるから変態サウンドを安心して聞ける。のか。

しかし、Mary Halvorsonのサウンド。引き込まれます。

ベストは、1曲めにします。


Thumbscrew "Theirs"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07BQNQJR7/)

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