後藤 幸浩 薩摩琵琶弾き語り(20181117)

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寺島さんの近著「JAZZ遺言状」(https://www.amazon.co.jp/dp/4866470291/)のどっかのページに、"メグの会vsNo Trunksの対抗戦"の話が出ているのですが、そこに"琵琶後藤"として名前がのっているのが、今回の主役である後藤さんであります。

これが、2~3回目のNo Trunksでのライブになると思いますが、過去に1setだけ聴いた記憶があり(blogには未記事化)ますが、ずいぶんと久しぶりの参戦となってしまいました。

和楽器の演奏というと、琵琶もそうですが、三味線も、箏も、いにしえの楽器を演奏しいにしえの音楽を現代に伝える伝統芸能的なものという認識が強く、膝を正して拝聴し、古い言葉で歌われるからなにを言ってるのか良く判らないというのが、見事なる自分の先入観なのであります。

が、今回のライブでは、大半が今の言葉で現代の内容を入れたもので、話の内容をおもしろく聞け、親近感の湧く内容で、前述の通り少し構えて聞き始めたんですが、途中でこれは大衆芸能として楽しむものであると気が付いて、そこからは気を楽にして楽しんで聞くように聞く体制を変えました。

あとから聞いたところ、演奏も伝統的な演奏を基本にしていながら、現代的な音使いを混ぜていた曲もあったとのこと。
それが全然気が付かないくらいに違和感なく溶け込んでいたところが、また素晴らしく。

後藤さんは、琵琶を演奏する仕事が正業になると思いますが、過去からミュージックマガジンに執筆するような音楽ライター業もされていて、最近の音楽についても多くのジャンルに造詣が深く、そんな広いバックボーンの中から、新しい響きを違和感なく効果的にいれていたということでしょう。

終演後、長らくいろいろな話をしていたところに、1991年頃の、琵琶、サックス、ドラムのトリオの古い音源を聴かせていただきまして、
これが、林栄一ばりのアルトとバスドラをビシビシと効かせたドラムに琵琶のサウンドが違和感なく溶け込むどころか、格好良い響きを出してまして、こういう方面での演奏ってのもありじゃないかと思ったくらい。

最近、和楽器での新しいサウンドに挑戦している人をいろいろ聴くことがあるが、あまり感心したものはなかったというのうが正直なところだったが、この演奏でちょっと認識をあらため、良いものがあるかもしれないと探す意欲を持った次第。

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