Donny McCaslin "Blow"

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Donny McCaslinの新作がリリースされました。
前作が2016年の
 "Beyond Now" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63963929.html)
その前が、2015年の
 "Fast Future" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63173417.html)
と、これらはボーカルなしのジャズ濃度高めのアルバムでしたが、本作は下記クレジットの通り、ボーカルが入ってきているのがミソで、これが吉と出るか凶と出るかが、個人的には非常に気になるところ。
Donny McCaslin(Ts)、
Ryan Dahle(Vo)、Jeff Taylor(Vo)、Gail Ann Dorsey(Vo)
Jason Lindner(P)、Ben Monder(G)、Ryan Dahle(G)、Steve Wall(G,Wurlitzer)
Tim Lefebvre(B)、Jonathan Maron(B)
Mark Guiliana(Ds)、Zach Danziger(Ds)、Nate Wood(B,Ds)

演奏曲は、メンバーとの共作が多めだが、すべてDonny McCaslinが入ってくるオリジナル曲で構成された全部で11曲。

01 What About the Body
02 Club Kidd
03 Break the Bond
04 New Kindness
05 Exactlyfourminutesofimprovisedmusic
06 Tiny Kingdom
07 Great Destroyer
08 The Opener (feat. Sun Kil Moon)
09 Beast
10 Tempest
11 Eye of the Beholder (Gail Ann Dorsey:vocal)

リズム系も、Donny McCaslinのサックスも電気を通したような乾いたサウンドで、さらにボーカルが入る。
エレクトリックでロック色の濃いサウンドという印象で聴き始めたが、不思議とジャズ聴き(自分)にも違和感の無いサウンドなのが、ちょっと驚き。

ロックな中にも、ポップだったり、マイナー調だったり、シリアスめだったり、メカニカルだったり、ファンクだったり、パンクな感じだったりと曲のテイストは変化するが本質的な部分が変わらないのか、あまりとっちらかった感じにはなっていない。

6曲めが如実にDavid Bowieを彷彿とさせるサウンドで、これがこのアルバムの発端であることにここでようやく合点が行くような塩梅。

全ての曲にボーカルが入っているわけではないとはいえ、端的にはロックサウンドのアルバムで、Donny McCaslinはサックスソロに呼ばれたゲストと言われても納得するようなサウンドであることは間違いない。
それでも、味のある良いソロを聴かせてくれるているのは間違いないので、聴き応えは充分に感じられる。

Donny McCaslinがこのサウンドに感化されて、今後リリースするアルバムがこの路線になるとちょっと困るかなぁ、これはこれで一旦一区切りにしてもらいたいのが個人的な希望。

ベストは、3曲め

Donny McCaslin "Blow" (https://www.amazon.co.jp/dp/B07F9GH9TF/)

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