"はしごを抱きしめる" 魚返明未トリオ

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魚返明未のリーダーアルバムはこれが2作めだと思うが、初作もしっかり買っているのは、メンツが故でありまして(御免)
前作も同様ではありましたが以下の通り。
魚返は1991生の芸大卒。石若が1992年生なので、完全に同世代の盟友であるということでしょう。
ちなみに楠井は1985生とちょっと上だが、北海道出身であるところが石若と同郷ということになります。

魚返明未(P)、楠井五月(B)、石若駿(Ds)

初作の紹介は下記で、2015年でありました。
 "STEEP SLOPE"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63342279.html)

本作の演奏曲は以下の通り。すべてオリジナルで良いと思います。後半3曲が組曲になっています。

1 そばに離れて
2 振り翳す
3 はしごを抱きしめる
4 三つの風 Part 1
5 三つの風 Part 2
6 三つの風 Part 3

魚返のピアノは、全体に響きを綺麗に聴かせながら、美旋律の美しさを追求していくような優しく演奏を紡いでいくようなところと、しっかり粒立ちのある打鍵でダイナミックでメリハリのある演奏とを使い分けるスタイルで、盛り上がる場面をしっかり盛り上げる。
そんな両面の良さを持っているように感じている。
本作でも曲によって場面によって、ソフトな面ハードな面を巧みに使い分けた演奏を聴かせる。
3曲めではそんな優しいタッチで奏でるダイナミックなフレーズなんてのもあってこれがまた素晴らしい。

楠井もまだまだ若い人だが、かなりしっかりしたタッチのベースを弾く人で、低音をしっかり響かせながらタッチもしっかりしていて、何曲かで披露しているソロがそんな印象をより明瞭にしている。

石若の4ビートでのシンバルレガートから、プレイキーばりのファンキーなノリと、静謐な雰囲気を出すシンシンと鳴らすシンバルと、ガッツリと叩きまくるところは力強く攻める。
そんな曲により機敏に反応を変えるドラミングはここでも健在。

全体には、4ビート基調のオーソドックスなスタイルの演奏が中心で曲の面白さ巧妙さを聴くというよりは、3人の演奏自体をたっぷりと堪能できる作品に仕上がっている。

ベストは、6曲めでしょう。

"はしごを抱きしめる" 魚返明未トリオ(https://www.amazon.co.jp/dp/B07G1YKQ7K/)

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